3月16日に行われるGⅡ・金鯱賞(中京・芝2000メートル)。今年は同レース3連覇がかかるプログノーシス(牡7)が出走してきたが、馬券作戦のポイントは「ジョッキーがどの出走馬を選択したか」にあると、筆者はみている。
4走前の海外GⅠ・QE2世C(シャティン・芝2000メートル)で、今をときめくロマンチックウォリアー(騙6)のクビ差2着があるプログノーシスの実力は、金鯱賞にエントリーしてきた10頭の中でも確かに抜けている。
しかし今回は「主戦ジョッキー」の川田将雅から、「テン乗り」西村淳也への乗り替わり。陣営サイドの「勝負度合い」という点で疑問符がつくほか、58キロというメンバー最大の別定重量も大いに気になる。ズバリ、取りこぼしの可能性大である。
そこでにわかに浮上してくるのが、1番人気が予想されるプログノーシスを捻じ伏せる可能性を秘めた「激走馬2頭」の存在だ。
激走候補の筆頭は、今回と同じ中京・芝2000メートルで行われたGⅡ・ローズSを快勝したクイーンズウォーク(牝4)。プログノーシスとともに中内田充正厩舎の「同厩2頭出し」となるが、両馬の主戦ジョッキーだった川田が「あえてクイーンズウォークへの騎乗を選んだ」ところに、陣営の勝負度合いの高さが見てとれるのだ。
この点は「同厩2頭出しは人気薄の馬から」という、古くからある競馬格言に、見事に合致している。55キロという別定重量も、強力な援軍となるだろう。
もう1頭の激走候補は、3走ぶりに主戦の岩田康誠に手替わりして臨むホウオウビスケッツ(牡5)。岩田は前走のGⅢ・中日新聞杯(中京・芝2000メートル)を勝ったデシエルト(牡6)の主戦ジョッキーでもあるが、今回、デシエルトではなくホウオウビスケッツへの騎乗をあえて選択してきたところに、クイーンズウォークと同様、陣営サイドの勝負度合いの高さが垣間見える。
そこで結論。当日の最終オッズにもよるが、筆者はホウオウビスケッツ以上の勝負気配が漂うクイーンズウォークの単複か単勝で勝負したいと考えている。
ただ、大きく儲けたい向きには、クイーンズウォークとホウオウビスケッツの両馬を1着固定にした3連単も悪くはないだろう。10頭立ての少頭数レースとはいえ、プログノーシスが4着以下に沈めば、間違いなく大穴馬券になろう。
(日高次郎/競馬アナリスト)