メジャーリーグの話題は今、日本で開幕戦に臨むドジャースとカブスでもちきりだ。大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、今永昇太、鈴木誠也らが華々しいスポットライトを浴びるその陰で、そういえば前阪神の青柳晃洋は今、どうなっているのかと、ふと気になった。
フィリーズとマイナー契約を結び、招待選手としてスプリングトレーニング、オープン戦で奮闘してきた。3月10日のツインズとのオープン戦では1回無安打無失点、1四球1三振と結果を出しているが、現時点で「メジャー契約」の吉報は聞かれない。
3月4日のヤンキース戦でも1回無失点に抑え、2三振を奪っている。ところが現地記者によれば、対戦した打者3人全てを3ボール2ストライクのフルカウントにしており、「制球に苦しんでいた」印象を残している。
このあたりにメジャー契約が決まらない理由がありそうだが、そういえば2月24日、MLB公式サイトのニュースでは、こんなふうに紹介されていた。
〈開幕を3Aで迎えるのは確実だが、フィリーズとしてはいずれ戦力になるかもしれない。彼がブルペンに入れば、フィリーズが契約した初めての日本人投手となる〉
すでにこの時点で、開幕を3Aで迎えることが決定していたかのようだ。それはなぜかといえば、
「青柳は制球に難アリながら、打者は打ちにくいと捉えている。なのにマイナーで開幕を迎えるというのは、チーム事情が影響しているから。フィリーズはクローザー候補として、前ブルージェイズのジョーダン・ロマノを獲得しました。昨季は15登板でしたが、2022年、2023年は連続して36セーブ。昨年、60試合以上に投げたホセ・アルバラードを筆頭に、リリーフ層が厚いので、開幕3A予想が出たんでしょう」(メジャー関係者)
フィリーズは青柳のほか、11人の投手を招待選手としてスプリングトレーニングに参加させた。彼らに対しては何度か「降格、解雇」の通達がなされ、青柳はまだ「生き残っている」状態だ。
「すでにメジャー契約の40人枠は埋まっています。誰かを引きずり下ろさないと、メジャーリーグでは開幕戦を迎えられません」(前出・メジャー関係者)
厳しいサバイバルレースはまだ続くが、青柳は2021年と2022年、2年連続で最多勝&最高勝率のタイトルを獲得している。その意地を見せてもらいたい。
(飯山満/スポーツライター)