これまで幾度となく繰り返されてきた「野球VSサッカー」論争。互いのファンが激しく罵り合うのはいつものことだが、そもそも最後まで混じり合うことなどないのだから、始末に悪い。
新たなバトルの原因となったのは、日本でのメジャー開幕戦に先駆けて開催された、カブス・鈴木誠也の「日本凱旋試合」。主催者発表によると、観客動員数は3月15日の阪神戦が4万1978人、16日の巨人戦が4万2026人と、どちらも4万人超え。これに気をよくした野球ファンが比較対象として持ち出したのが、日本が誇るサッカー選手、ブライトンの三笘薫だった。
三笘は昨年7月24日と25日に国立競技場で行われた「ブライトン&ホーヴ・アルビオン・ジャパンツアー2024」凱旋試合のため帰国。24日に鹿島アントラーズ、28日に東京ヴェルディとの2試合が行われた。ところが観客動員数はアントラーズ戦が2万5172人、ヴェルディ戦も2万2581人にとどまり、6万7750人のキャパシティを誇る国立競技場のあちこちで空席が目立った。
国立競技場の観客席は5色に分かれ、モザイク状に配置されているため、観客がいなくても満席のように見えるが、3階席はほぼ空席のガラガラ状態。日本を代表するサッカー選手の凱旋試合としては、あまりに寂しすぎた。
SNSで展開される野球ファンの高笑いは、次のようなものだった。
〈三笘の凱旋試合は子供たちが来場しやすいように夏休み開催。しかも無料券まで配ってる。誠也の凱旋試合は争奪戦で、当然無料券はない〉
〈野球ファンとサッカーファンの地力の違いだな〉
〈大谷ではなく鈴木でも余裕でサッカーに圧勝〉
〈鈴木誠也>三笘薫〉
いや、サッカーファンも黙っていない。インスタグラムのフォロワー数を引き合いに、
〈鈴木って三笘の10分の1しかないじゃん〉
もはや何で勝負しているのか意味不明なレベルで、話はどこまでも平行線をたどる。そろそろお互いのいいところを認め合うような流れにはならないものか。
(ケン高田)