「今年はカープがどこの順位にいくかによって(セ・リーグの順位が)すごく変わるような気がしてるんですけどね」
これは野球解説者の江川卓氏による、今季のセ・リーグの展望である。昨年、一時は首位に立つも、9月に大失速して4位に沈んだ広島。今年はこれがカギを握るというのだ。
自身のYouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉で江川氏が持論を展開するには、
「何が大きいかって、失速したでしょ、9月にね。巨人戦からガーンと落ちて、あそこまでずーっと勢いがよかったんだけど、若手のピッチャーもバッターも疲れたんですよ、あそこまでで。だけど1年間終わった時に『なるほど』となったと思うんですよ、若手の選手たちがね。『長いな…』と。『4カ月はいけたけど、あと2カ月がキツイんだな』って。若手が長さを知ったことによって、もちろん負けたり勝ったりするんですけど、最後に頂点に行きつくには、ここでちょっと抜いてもいい、ここでアクセル踏む、みたいな形がわかった時に力を出すような、しぶとさが出るような気がして」
ここに興味深いデータがある。2024年、セ・リーグ6球団の「8月まで」と「9月以降」の「防御率」と「1試合平均得点」を比較してみよう。
巨人 2.59⇒2.00(防御率) 3.1⇒4.0(1試合平均得点)
阪神 2.50⇒2.50 3.3⇒4.1
DeNA 3.08⇒3.07 3.6⇒3.8
広島 2.25⇒4.11 3.0⇒3.8
ヤクルト 3.75⇒3.15 3.6⇒3.8
中日 2.83⇒3.84 2.6⇒2.7
広島の防御率の悪化が極端に目立ち、野手がそれを補い切れていない側面が伺える。江川氏の指摘通り、広島が長いペナントレースの戦い方を熟知した時、最後に首位に立っているのか。
(所ひで/ユーチューブライター)