世界最速でワールドカップ出場を決めたサッカー森保ジャパンに、早くも持ち上がったのは「ポスト森保レース」だった。8大会連続でW杯出場となり、森保一監督はよほどのアクシデントに見舞われない限り、2026年の本番まで指揮を執ることは確実となった。
日本代表監督は1993年のJリーグ誕生以降、基本的にはW杯に合わせて4年サイクルで交代する方針だった。病気のため交代を余儀なくされたイビチャ・オシム氏らはこの原則に当てはまらないが、過去30年以上に及ぶ代表監督の歴史で、4年を超えて続投したのは2018年7月に就任した森保監督ただひとりだ。
現段階ではW杯後の去就は未定だろう。長年、日本代表を取材するサッカージャーナリストが語る。
「アジア最強、歴代日本代表最強とされる森保ジャパンは、世界一という目標を掲げている。事実、今のメンバーなら初のW杯ベスト8以上が現実味を帯びています。そうなればまた、森保監督の続投論が出ても不思議ではありません」
もちろん、別の見方もある。スポーツ紙サッカー担当記者は、
「続投は現実的でないでしょうね。歴代代表監督の最長任期は長沼健元サッカー協会会長の通算11年ですが、それは1964年に東京五輪があったためで、W杯出場など夢のまた夢だった時代。W杯出場が当たり前になった今の日本代表には、当てはまりません。本当に世界一を目指すなら、森保監督以上に世界を知る大物の招聘が検討されるのは当然でしょう」
次期監督問題を語るには尚早という見方もあるが、実際は違う。前出のサッカー担当記者は、
「次期監督候補のリストアップはしておかないと、大変なことになりますよ。W杯予選で敗退が決まったチームの監督や、次のW杯で任期が切れる監督の中で優秀な人材は、取り合いになる。出遅れは致命傷になりかねません」
今後も欧州でプレーする日本人選手が増え続け、さらに代表チームが海外組一色に染まっていくことは確実。日本代表監督には欧州のサッカー事情に精通することが求められる。
「森保監督自身は否定しましたが、欧州への移住プランがまことしやかに囁かれるほど。欧州組視察を容易に行える外国人の代表監督就任は、現実的かもしれません」(サッカーメディア関係者)
W杯出場決定の裏で、スペインやポルトガルなどで行われる2030年W杯に向けての動きは、もう始まっている。