東京ドームで行われたカブスとの開幕シリーズで、「盤石」とも言える強さを見せつけたドジャース。ワールドシリーズ2連覇への期待が膨らむ中、メジャーリーグ関係者の間では「今季のドジャースはブッチギリで地区優勝する」との観測が早くも流れ始めている。
実はアメリカのデータサイト「ベースボール・プロスペクタル」が今年2月、成績予測システム「ペコタ」を駆使して公開した今季予測でも、ドジャースのシーズン総勝利数は全球団で唯一の「100勝超え」、ポストシーズン進出確率は驚異の「100%」だった。
ところが、である。ペコタが算出、予測したドジャースのワールドシリーズ制覇の確率は「20.7%」。この数字は2位ブレーブスの「9.7%」を大きく上回っているが、ワールドシリーズ制覇がいかに難しい偉業であるかを雄弁に物語っている。
そんな中、デーブ・ロバーツ監督をはじめとするドジャース首脳陣の間で今、「大谷翔平の二刀流復帰はポストシーズン直前から」なる新プランが浮上しつつある。
ドジャースのスタン・カステン球団社長も最近、大谷に関するスクープを連発しているアメリカの異色メディア「ドジャース・ネイション」のゲイブ・スモールソン記者の取材に答える形で、次のように発言している。
「大谷を急がせる必要はない。我々がすることは全て、10月を目指している。大谷はその時、効果的かつ圧倒的な活躍を見せてくれるだろう」
大谷の二刀流復帰時期をめぐっては、「早ければ今年5月」「遅くとも7~8月」との観測が流れている。しかし、右肘と左肩に手術後の爆弾を抱えている大谷にとって、新たに浮上した新プランがベストの選択肢になる可能性がある。それまでの間、「投手大谷」に向けた調整をじっくりと行うことができるのに加え、「打者大谷」に専念することで、記録を積み重ねることが可能になるからだ。
ドジャースと大谷の選択が確定するのを待ちたい。
(石森巌)