原監督はX氏の影響を多分に受けてきたという。
例えば、先に触れた将来のゴルファー転向案も評論家時代に、原監督の技術を目の当たりにしたX氏から勧められてその気になったそうだ。そして、今季の阿部コンバートまでがX氏の案だったとの説が流れているのだ。
「あくまで噂ですが、そのコンバートを阿部に電話で伝えたのもX氏だったと‥‥」(日本テレビ関係者)
原監督の動向は、スポーツを扱うメディアにとっては注目の的である。ところが、ここでもX氏は優遇されてきたというのだ。
巨人番記者が明かす。
「4月11日に田口が初先発を果たしましたよね。当初は12日の先発予定だったんです。ところが、一部スポーツ紙が他誌に先駆けて12日に先発、と報道しました。それを11日に前倒ししたのは、原監督がX氏の息がかかったメディアにスクープさせることができなかったことで、その意趣返しをしたと言われています。実際、田口が勝利した試合後、原監督は『そういえば、どこかの新聞社に日曜日に先発するって書いてあったけど、そういうのもあったと思って土曜日に先発させた』と冷静ながらも皮肉めいた感じで語っていた。さらには、新外国人の大砲・フランシスコ(27)獲得を巡っても、わざわざ試合前の監督室にX氏を呼んで、意見、評価を聞いていたようです」
もはや球団入りしようがしまいが、X氏は原監督の重要なブレーンの役割を果たしているようだ。
ところで、X氏がここまで監督に重用されるのは、これまでの“実績”がものを言っているという。毎年のように繰り返されてきた巨人の大補強にも一部で一役買ってきたというのだ。
「X氏はメディア関係者ということで、巨人以外の球団にも出入りしてきました。もちろん、FA宣言前の選手に声をかけても、巨人の球団職員ではないですから事前接触には当たらない。人脈が豊富なX氏は、『原さんがこう言ってたぞ。目をかけてたよ』とささやいて、その後の決断に影響を与えていたといいます。一説には、パ球団の看板打者に打撃のアドバイスをしてしまうほど技術論にも精通している。そうして選手と親しくなっては、原巨人の利益となるように奔走してきたようです」(球界関係者)
原監督にとっては、多くのマスコミ陣の中でも特別な“懐刀”的存在。当たり前のように、特別扱いしてきたという。スポーツ紙デスクが明かす。
「第2次原政権初期の頃、監督の自宅の直撃取材が禁止されたことがありました。ところが、スポーツ紙の記者が監督の自宅近くで帰りを待っていたそうです。聞いた話では、そこへ監督の車が戻ってきたので、その記者が直撃に向かうと、監督と一緒にX氏が降りてきたそうで、『来ちゃダメだって言っただろ!』と恫喝するように言い放って、自分は監督の自宅に入っていったといいます」
原監督が、そんな“フィクサー”をついには球団に迎え入れようというのか。
その背景について、先の球界関係者が話す。
「実は原監督は昨オフの補強面でフロントに不満があったんです。金城龍彦(38)や、前年の井端弘和(39)など、フロント主導で獲得に動いた選手の活躍も目立ってはいます。ところが、原監督の本命はオリックスに残留した金子千尋(31)だったようです。編成面で意見を通すためにも、GMに自身の頭脳とでも言うべき人物が座っていれば心強い。その構想が実現した際には、X氏が懇意にしているライバル球団のOBを入閣させるプランもあるようです。くしくも、すでに来季の補強に関して積極的な原監督は『ピッチャーもバッターも左が欲しい』と口にしている」