プレミアリーグのアーセナルからドイツ・ブンデスリーガ2部ザンクトパウリへの加入が決まったのは、日本の宮市亮。高校時代から圧倒的だったその快足ぶりで期待されながら、なかなか活躍ができないでいる宮市だが、新天地でぜひとも花を咲かせてほしいもの。
それにしても、である。ドイツ紙の「ビルト」が宮市に付けたあだ名が「寿司飛ばし屋」とはいかがなものか。彼の持ち味である足の速さを「FLITZER」(飛ばし屋)に例え、そこに日本の「SUSHI」(寿司)を足して「SUSHI‐FLITZER」というわけだが、ハッキリ言って意味がわからない。
「あれだけ日本と親交のあるドイツでさえSUSHIですからね。海外での日本文化の認知度は日本人が想像する以上に低いですよ。かつてはFUJIYAMA(富士山)とGEISHA(芸者)とNINJA(忍者)の3強でしたが、平成になってSUSHIが加わった感じです(笑)。というより、それぐらいしか知りません。インタビューで困ったときは『I LOVE SUSHI』と言えば、日本人の記者はみんな喜ぶというのがこちらの有名人の定説ですね。最近ではジャパニーズアニメも人気ですが、アニメという用語は世界共通語ですし、詳しくない人はJアニメも中国製だと思ってるくらいです」(欧州在住のスポーツジャーナリスト)
たしかに、いまだハリウッドでは日本人役を韓国人や中国人が演じることは当たり前。「ターミネーター」の最新作にも出演している俳優イ・ビョンホンを日本人だと勘違いしている人も多いという。
宮市の大活躍で、彼のあだ名からSUSHIが外される日ははたして来るのだろうか──。
(中里けい)