女を泣かせてナンボの世界に、経験豊富なバツ5オヤジが殴り込み!? ビッグダディこと林下清志氏(50)が、歌舞伎町ホストに電撃転身! デビュー初日に独占密着した。
おなじみの「タオル鉢巻」を封印しても、正体は一目でバレた。
「え!? ホンモノ? ウソでしょ~」
高級酒のボトルが並ぶテーブルにつくと、女性客たちは黄色い歓声を上げて、“50歳の新人”を迎えたのだ──。
8月30日、ダディがホストデビューしたのは新宿・歌舞伎町の「クラブアクト」。ホストの世界で「夜王」と称された愛田武氏の長男で、同店のオーナーを務める愛田孝氏が語る。
「私の父は、けっして二枚目ではありませんが、持ち前の愛嬌と負けん気で伝説のホストになった。ヒゲに眼鏡という父の面影があるダディさんには、業界全体を明るく盛り上げてもらいたい」
そんな思いもあって孝氏がオファーしたところ、週1日限定ながら、クラブ勤務を快諾したという。
そして迎えた初出勤当日、ジャケットでフォーマルに装ったダディは、こう心境を明かした。
「夜の商売にはまったく抵抗ありません。10年以上前には、女の子を送迎する風俗ドライバーのような仕事をしていましたから。しかし、こういう接客業は未知の世界。店に迷惑をかけないようにしないとね」
クラブのホームページに掲載するプロフィール写真の撮影を終え、簡単な研修を受ける。
「非喫煙者のお客様の前でタバコを吸わないのは当然として、職業や年齢などを聞いてはいけません」
先輩ホストから「最低限のルール」を聞くうちに、ダディの表情にも不安の色が見え始めた。
「緊張はしないと思いますけど、これまで配慮に欠けたトークを売りにしてきたので、自分本位の接客にならないか心配です」
こう話すダディは現在、浅草で週末限定のマッサージ店を営業中。かつて記者が取材した時には、
「ツライのは肩? 腰? それともオマタ?」
こんな下ネタ発言で女性客を和ませていたが‥‥。
「淑女の前で、ギャグなど言うべきではありません」
と、紳士的なトークで「夜王」を目指す構えだ。
そしていよいよ絢爛豪華にライトアップされたフロアへ足を踏み入れると、先輩ホストに誘導されて常連客が座るテーブルにつく。
冒頭のように、自己紹介のくだりでは場を盛り上げたが、客の目当てはあくまで指名した人気ホスト。ヘルプという立場もあって、なかなか会話の輪に入れず、愛想笑いを浮かべるだけの膠着状態が続く。すると、すぐ隣のテーブルから、
「シャンパンいただきました! はい、はい!」
と威勢のいいシャンパンコールが響いた。目の前で開けられた高級ボトルに刺激を受けたのか、ここでダディが攻めに転じる。
「番組の舞台になった小豆島って、とても住みやすい土地なんですよ」
過去の看板番組にまつわるエピソードで女性陣の興味を引くと、話題は本業の整体に及ぶ。
「施術中に寝ちゃう人は多くて、それをいいことに手抜きする人もいるんですよ。私は常に誠心誠意やっていますけどね(笑)」
節度をわきまえつつ、こうした業界ウラ話で女性客の心をつかんでいた。だが、当人は勤務終了後に悔しさをあらわにした。
「何もできなかった。会話のコツがつかめない‥‥」
ダディといえば、13年に出した自叙伝が10万部超えのヒットとなり、翌年には芸能界に本格進出。地上波でレギュラー番組を持つ売れっ子になったのだが、メディアへの登場機会が減った現在はタレントとして“賞味期限切れ”がささやかれている。
「有名人だからといって特別扱いはしません。給与も他の新人と同じ。水割りの作り方など、これからホストとして覚えなければいけないことはたくさんあります」(前出・愛田孝氏)
ダディの「崖っぷち転身」は吉と出るか。子だくさんホストの挑戦を見守りたい。