9月24日に胆管ガンで逝去した川島なお美(享年54)。11月5日の追悼イベントでは多くのファンがその早すぎる死を悼んだ。だがその水面下では、川島の「遺品」がひそかに注目を集めていた。
ここに1冊の書籍を写した画像がある。07年に刊行された小説「あじさい日記」。著者は故・渡辺淳一氏(享年80)。その表紙裏には、
〈川島なお美さんへ〉
と、著者の直筆サインが記されていた。渡辺氏が川島に宛てた贈呈本のようだ。週刊アサヒ芸能に写真を提供した古物商関係者が語る。
「11月の初旬に、複数の業者を介して、ある熱心なファンの手に渡ったと聞いています」
その本は、夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(50)が大量処分した「遺品」の一部だという。
「鎧塚さんが業者に依頼して、川島さんが所蔵していた大量の本を買い取りしてもらったんです。日用品や衣服など愛着ある品は依然、手つかずのままだったようですが‥‥」(前出・古物商関係者)
11月10日に四十九日法要を終えても、鎧塚氏にはまだ「遺品整理」というつらい仕事が残っている。2人はまさに「献身愛」を絵に描いたような夫婦だった。
「結婚2年目の11年には鎧塚氏が目の病気で左目を失明してしまい、パティシエ引退も考えたそうですが、川島さんは『私があなたの目になる』と鎧塚さんを勇気づけました」(芸能記者)
13年7月、川島に胆管ガンが見つかると、鎧塚氏が支える側に回る。
「その翌年に手術を受けた川島さんを元気づけようと、鎧塚さんは丸坊主にしたのです。川島さんはその頭を見て、ベッドの上で久しぶりの笑顔を見せたようです」(前出・芸能記者)
闘病のかいなく、帰らぬ人となった川島。生前はどんな取材にも真摯に向き合った。
「病院の前で記者に遺書の存在について聞かれることもあったが、常に大人の対応を見せた。鎧塚さんもその姿勢にならって、告別式の会場では、戒名の意味を尋ねてきた報道陣のために、その場で関係者に連絡を取る一幕もありました」(前出・芸能記者)
そんな鎧塚氏が処分したサイン入りの書籍。そこからは、女優・川島なお美と作家・渡辺淳一氏のただならぬ関係が浮かび上がってくる。90年代、女優として伸び悩んでいた川島が飛躍のきっかけをつかんだのは、97年放送の主演ドラマ「失楽園」(日本テレビ系)だ。
「原作にほれ込んだ川島さんが渡辺さんに直訴して、主役の座を手に入れたと言われています。実際、月刊誌『噂の眞相』(04年休刊)が96年と98年の2度にわたって密会旅行を報じています」(前出・芸能記者)
2人は恋人のようであり、師弟のような間柄だったという。前述の「サイン本」を見るかぎり、交友は07年まで続いていたことがわかる。
芸能人のプレミアグッズを扱う「荒魂書店」(神保町)の店長に、このお宝を鑑定してもらうと、
「とても貴重な本です。1万円以上の高値をつけてもおかしくありません。ただ、著名人のサイングッズに関しては贋作も多く出回っているので注意が必要です」
真相を聞くために鎧塚氏を直撃すると、
「本を売ったのは事実。しかし渡辺さんのサイン本を売った覚えはありません。なお美が生前、誰かに譲ったとも考えられない」
遺品を処分したことは認めても、サイン本はニセモノだと主張するのだ。
「それこそ膨大な数の本がありました。週刊誌や旅行ガイド本など、不要な本は段ボールで10箱分はありましたが、なお美が大切にしていた品は残してあります。万が一、写真やメモが挟まっているような本が処分品に紛れ込んでいたら、連絡をいただくことになっています。私はその業者さんを信用しているので、どこかに流通することは絶対にありえません」(鎧塚氏)
真実は天国の川島のみが知る──。