さらに波紋を広げたのは、巨人が全選手、スタッフ276人に対して聞き取り調査をし、日常的に10人以上が賭け麻雀やポーカー賭博、さらには夏の甲子園を賭けの対象にしていた事実を公表したからだ。
グレーゾーンの範疇なのかもしれないが、球団内にはギャンブルが蔓延していたのである。
「真偽はわからねえけど、一軍の主力クラスの中にも、高額の麻雀賭博に参加してたってことで聞いた名前はあるよ。野球賭博にしたって、今回処分された3人はメールで証拠を残しちゃっただけだろ。口頭で指示を出して、まとめて買わせれば証拠も残んない。一昔前だけどな、もう引退した巨人のスター選手が対戦の行われるカードのハンデを聞いてきたこともあったほどだ」(暴力団関係者)
賭博問題は他球団でも調査が行われるなど、球界全体に波及しているが、その闇は深いとX氏が続ける。
「笠原たちが出入りしていた裏カジノには、現役時代に華々しい成績を残した複数の評論家たちとか、現役選手でも、タイトルを獲ったことのある他球団の人気選手なんかがもっと前から出入りしていたよ」
実態を聞けば、まるで証拠を残した3人のクビ切りで、全ての幕引きが図られたかのように見える。だが裏を返せば、笠原、福田、松本が“時限爆弾”を握っているとも言えないか。
「3人は携帯電話を取り上げられたので、仲のよかった巨人の選手とも連絡を取ることができずビビッていた。一軍の主力からも、素行の悪さが噂されるOBの名前を出して『あの人、パクられないよな? 大丈夫だよな?』なんて声まで聞かれた」(巨人番記者)
巨人、そして球界がパニック状態となる中、X氏は不敵に笑う。
「普通に考えたら、読売側は3人に高額な金銭を渡すだろう。口止めだよ。今後の面倒も見るだろうな。球界と闇ギャンブルの歴史なんて今に始まったことじゃない。一説には、関東じゃ野球賭博のハンデをつけてるのが、トラブルメーカーだった某球団のOB選手って話だ」
もう、あのマウンドには立てない──。いずれにせよ、闇賭博にのめり込んだ代償は高くついた。