パリで起こった不幸なテロで、フィギュアスケートグランプリシリーズ・フランス大会は中止を余儀なくされた。一般人を狙った未曾有の事件に、被害にあった人々や死者を悼む気持ちで、スケート関係者は誰もが中止は仕方のないことと受け止めている。
とはいえ、グランプリシリーズ自体が中止になったわけではなく、今週末のロシア大会、続くNHK杯とグランプリファイナルに向けての闘いは続いている。となると、気になるのがフランス大会に出場した選手たちの処遇だ。
グランプリファイナルは、グランプリシリーズの各大会の上位入賞者に得点を与え、総合得点の高い者から順に8人がエントリーされる。得点は、優勝15点、2位13点、3位11点‥‥と2点ずつ減じて加点される。
「フランス大会では、ショートプログラムの結果のみで得点を与えると言われています。そうなると、ショートで1位だった宇野晶磨選手はアメリカ大会での2位と合わせてファイナル出場はほぼ決定でしょう」(スポーツ紙記者)
一方、ショートで出遅れ、フリーでの挽回を目論んでいた選手にとっては衝撃だ。
「ショートで失敗して5位に沈んだ羽生結弦選手の宿敵、パトリック・チャン選手は、先のカナダ大会で優勝したものの、その15点とあわせて22点。カナダ大会、フランス大会ともに3位だった村上大介選手と同じ点数です。22点は例年、出場の微妙なライン。チャン選手の実力なら表彰台は固いはずでしたから、とんだ番狂わせですよ」(前出・スポーツ紙記者)
ロシア大会、NHK杯の2大会を残し、王手をかけている有力選手はほかにもたくさんいる。ここからの勝負に注目だ。
(芝公子)