ももクロや水樹奈々が落選する一方、39回目の紅白歌合戦出場を果たした和田アキ子への批判が止まらない。そんな逆風のなかで御年65歳の和田が紅白出場を謳歌するなか、同じ65歳のカリスマが惜しまれながら引退の花道を飾った。“生ける伝説”とさえ呼ばれる名プロレスラーの天龍源一郎である。プロレスに詳しい芸能ライターが語る。
「80~90年代には“風雲昇り龍”として人気・実力の両面でトップに君臨した天龍ですが、年齢による衰えは隠せず、11月15日に両国国技館で引退試合を行いました。37歳も年下の若手スター選手、オカダ・カズチカと一騎打ちを行い、最後はオカダの得意技を食らって轟沈。凄絶なラストに満員の観客が涙したのです」
引退試合の終盤には立ち上がる力もないほどの衰えを見せた天龍だが、39年に及ぶプロレスラー人生を知るファンにしてみれば、それもまた生き様のひとつ。その天龍が28歳のオカダに屈した様子はまさに、世代交代そのものだったと言えよう。
プロレスでも音楽業界でも、新しいスターは次々と生まれてくる。今回の紅白でもゲスの極み乙女。や大原櫻子といった初顔が登場。若手の象徴と思われたAKB48ですら早くも出場8回目と、時代が移り行くのは早いものだ。芸能ライターがしみじみと語る。
「昔の紅白にはバンドもグループアイドルも出場せず、ましてや声優ユニットなど考えもしなかったもの。それほどまでに時代は動いているのです。もちろん幅広い年代の視聴者を考えれば、演歌歌手やベテラン歌手にも一定の需要はあるでしょう。しかしヒット曲がないなか、知名度だけで出場し続けることに批判の声が多いのが現実です。和田も天龍の姿から学ぶところが大きいのではないでしょうか」
ちなみに天龍は引退後、指導者などの形でプロレス界に関わることは否定している。そんな潔い生き方からもまた、学ぶべきことは多いはずだ。
(白根麻子)