JRA入り2年目のデムーロとルメールが順調に勝ち星を積み上げる中、今年は日本人騎手の序列に「異変」が生じている。馬券予想の重大なファクターである騎手の調子と力量の変化。独自の最新裏情報を一挙に公開する。
1月30日の京都競馬場で行われた11レース、北山S(ダート1800メートル)に白毛の人気馬ブチコが登場した。愛くるしいまだら模様の馬体だけでなく、前走は岩田康誠(41)とのコンビで後続馬に1.7秒の大差をつけてブチ抜き。その実力も評価され、単勝1.6倍のダントツ人気を集めた。スポーツ紙記者が話す。
「ところが結果は3着。重馬場で脚抜きがよかったせいもあり、前を行く2頭をとらえきれなかった。引き揚げてきた岩田は終始無言で、代わりに音無秀孝調教師が『乾いた馬場ならまた違ったと思うが』とコメントしていました。4番人気(単勝10.4倍)のキングノヨアケで勝った武豊(46)は『思ったとおりのレース』とご満悦だった。まさに両雄の現状の明暗がクッキリと出た一戦でした」
昨年、5年ぶりに100勝を突破した武は、今年も15勝(1月31日現在でJRAのみ、以下同)と好スタート。1月24日のAJCC(GII)ではディサイファで完勝し、デビュー以来30年連続重賞制覇を成し遂げ、全盛期の勢いを取り戻しそうな完全復活を印象づけている。
だが、5年連続100勝オーバーの岩田は東西リーディング12位〈6 8 1 17 65〉と完全に出遅れ、絶不調に陥っている。競馬専門紙トラックマンが舞台裏を明かす。
「ブチコでもまくり気味に追い上げることなく3着だったように、勝ち切れず、3着が17回と異常に多い。昨年8月、函館記念(GIII)と函館2歳S(GIII)で2週連続重賞勝利し、9月にも札幌2歳S(GIII)と小倉2歳S(GIII)で2日連続重賞制覇していた勢いがまったく感じられません。それ以降は重賞を勝っていませんからね。担当エージェントが昨年9月に、ルール違反による3カ月の業務停止処分を受けたことも要因の一つでしょうが、やはり菊花賞(GI)のラフな騎乗が大きく影響していると思います」
サトノラーゼンに騎乗した岩田は4コーナー手前、坂の下りにさしかかるところで、田辺裕信(31)騎乗のブライトエンブレムに対する露骨な進路妨害を行った。岩田は過去にも後藤浩輝(故人)に対し、斜行などによる進路妨害で2度も落馬事故を引き起こし、騎手生命に関わる大ケガを負わせている。JRA関係者が渋い表情で言う。
「菊花賞の騎乗はパトロールフィルムを見るまでもなく悪質に映り、騎手や関係者らからは『あれはないだろう!』と批判が集中した。自業自得とはいえ、精神的に追い込まれる要因となりました」
昨年暮れには専門紙記者ともトラブルを起こし、レース後のコメントを拒否し続けている。
「昔からマスコミ嫌いで有名ですが、掲載されたコメントを巡って記者と大モメし、以降はどこにもコメントをしていないんです。年明けの京都の検量室前では『当分は重賞勝ってもレース後のインタビューはやらへん!』などと言い放つ始末」(前出・スポーツ紙記者)
厩務員が「どうでした?」と管理馬について聞いても、「外国人が乗ったら勝てるわ」と八つ当たりの捨てゼリフを吐くほど、イライラを募らせているという。