「ケンカ上等」を貫くナニワの市長。敵意ムキ出しの罵詈雑言を浴びせる姿に市民からは歓声が上がる。おかげで、彼は向かうところに、常に敵を作り出している。今回の対戦相手は、数々の論客と対峙してきた「ゴー宣」の作者。泥仕合に発展必至の状況で、本誌が「ゴーマン舌戦」の審判を買って出た!
向こうが先に呼び捨てにした
舌戦は突然、始まった。
4月27日深夜、橋下徹大阪市長(42)が、つぶやき投稿サイト「ツイッター」でこうつぶやいたのだ。
〈一度も面識のない相手に、ほんとこういうもの言いができる大人がいるって言うのも日本もダメになったよな。もう自分が絶対に正しい、自分以外は間違いってな調子。しかもこの年齢で。勘違いも甚だしいね>
この直前のつぶやきには、経産省の現役官僚で現在は京都大学大学院准教授に出向している中野剛志氏がヤリ玉にあげられていた。てっきり中野氏への罵倒かと思いきや、そうではなかった。
〈小林よしのりは、(中略)ようは口だけで、何もやっていない奴。(中略)保守だ、国だと偉そうなフレーズは口に出すが、要はヒマなだけじゃねえか〉
そう、「ゴーマニズム宣言」で知られる漫画家・小林よしのり氏(58)も、まとめてブッタ斬っていたのだ。
橋下氏は、雑誌「SAPIO」(小学館)5月9日・16日号に掲載された小林氏と中野氏の対談記事の内容にお怒りの様子。この号は「橋下首相なら日本をこう変える」と題された40ページ以上の大特集を組んでいる。ほとんどは橋下氏に好意的な記事で、この4ページの対談記事だけが批判的であった。
その記事を読んでみると、小林氏は「愛国心」という視点から、橋下氏が打ち出している政策を論じている。例えば、一見すると「君が代の強制」や「日教組批判」をする橋下氏は「保守」に見えるが、「大阪都構想」と、「都」という言葉を使うことに「ニセの愛国者」を感じ取っている。そして、「愛国心を強調」したほうが、「ポピュリズム」になっていると現状を評する。
橋下氏が、どの〈もの言い〉が気に入らなかったのかは、続くつぶやきで一目瞭然だった。〈公人だから批判はいいが面識のない相手を呼び捨てにするな〉
実は、この論戦の発端は大衆にもわかりやすいレベルの話だったのだ。
ところが、橋下氏はその後、〈年下なのに〉とつぶやいてしまったから、ツイッター読者から小林氏は年上なのに自分が呼び捨てにしていると矛盾を指摘される。
すると、橋下氏は〈向こうが先に呼び捨てにした〉と主張。これにも、読者が小学生か! とツッコミを入れると、〈小学生ですから〉と開き直ってしまった。
そんなわけだから、小林氏に対する言葉もこんな具合だった。
〈大阪を都にすることだって。やれやれ。バカか〉
〈『橋下は都とは何かをまるで考えていない』だって?お前が考えていないんだよ!〉
どこまでも子供じみた内容なのであった。