この警察ざたに対応したのは、鮫島の所属先の浅見秀一調教師である。
「未成年の飲酒ということで、すぐにJRA関係者へ謝罪を入れ、可能なかぎり、その週の騎乗をキャンセルさせて、謹慎させた。本人も丸坊主になるなど、師匠が厳しい姿勢を示したことで、大事に至らずに済んだものでした。もちろん、酒を飲ませた騎手らもJRAから注意を受け、反省していました」(厩者関係者)
鮫島は3週間、騎乗を自粛したのだが、浅見師は今も怒っているという。
若手騎手の育成に尽力する調教師たちにとっては実に嘆かわしい事態だが、中堅騎手の問題行動を指摘する声も多々聞こえてくる。競馬ライターが苦笑する。
「西なら松田、東なら吉田隼人(32)ですかね。どちらもローカルで培った技量の持ち主だけに、若手からの評判を聞いてガッカリさせられました。まず、松田は若手を理不尽に叱っている。菱田裕二(23)や若松風馬(20)と乗り合わせたレースで、彼らが逃げ馬を追走しながら捕まえにいかないと、『どこに目をつけてるんだ!』『ペースを考えろ!』とどなっていました。松田は彼らの後ろにいて、追い込みが届かなかったんですが、要するに、自分の都合のいい展開にならなかったため、好きなように逃げさせるな、と言いたかったわけです」
昨年の有馬記念でGIジョッキーの仲間入りを果たした吉田も、人望に欠けるキライがあるらしく、
「若手に合コンを依頼しながら、好みの子がいないと不機嫌になって帰る。自分が主催した宴席でも、場の雰囲気が盛り上がらないと、金も払わないで消えていく。もちろん、若手から騎乗アドバイスを請われても、調教師でもそばにいないかぎり、ほとんど応じません。まぁ、それも裏を返せば、有能な外国人騎手の襲来によって勝ち星を食われ、自分の身を守ることで精いっぱいだから、という側面もあるわけですが‥‥」(競馬サークル関係者)
JRA所属となったM・デムーロ(37)とC・ルメール(37)がリーディング上位をひた走る現状に加え、「黒船襲来」と例えられるように、短期免許で来日する外国人騎手がもてはやされる傾向が強まっている。
その外国人騎手の短期免許制度の見直しが、5月17日にJRAから発表された。スポーツ紙デスクが言う。
「簡単に言えば、交付の際の成績基準などの条件が厳しくなり、時期によっては来日の人数が減ることになるでしょう。最大の理由は、2月6日のドーピング検査で、L・コントレラス(29)の尿から禁止薬物のオキシコドンが検出されたことです。オキシコドンは日本で麻薬指定されている。03年にドーピング検査がスタートして以来、初の違反者が生まれたことで、今後は全騎手に対し、(JRAは)検査強化を図るそうです」
JRAはコントレラスに対し、今後5年間、免許を交付しないことを明らかにしている。