今週は函館で「函館記念」が行われる。過去5年、4番人気以内の馬が必ず1頭は3着以内に食い込んでいるものの、1番人気は全て馬券圏外、2番人気も1頭しか馬券になっていない波乱含みのハンデ戦。穴党の出番だ!
中央場所(福島、中京)に重賞がない今週は、函館記念がいわばメインになる。先週の七夕賞と同じく芝2000メートルのハンデ戦。荒れるイメージが付きまとう重賞だ。
実際、00年以降の16年間で1番人気は2勝(2着3回)、2番人気が3勝(2着3回)。1、2番人気のワンツーはあったものの、まともに有力馬が勝ち負けしたケースは少ない。
02年に馬単が導入されて以降、その馬単で万馬券になったのは6回(馬連では2回)。穴党好みの重賞と言っていいか。
特徴としては古豪の活躍が目立つこと。過去16年間で5歳馬が8勝(2着7回)と圧倒的に強いが、7歳馬以上もよく連絡みしている(7歳=3勝、2着1回。8歳以上=1勝、2着3回)。峠を越したと見られる高齢馬でも軽ハンデにモノを言わせることが少なくなく、仕上がり状態のよしあしを見極めることが肝心になる。軽視は禁物ということだ。
今回はさしずめホッコーブレーヴ(8歳)が該当馬になる。これまでGI級と戦ってきただけに相手はずいぶんと楽。3カ月半ぶりの実戦だが、早くからここを目標にじっくりと乗り込まれ、久々でも好仕上がり。要注意というところか。
それでは今回の顔ぶれを見てみよう。前哨戦の巴賞を快勝したレッドレイヴンが最有力候補としてあげられるが、昨年の覇者ダービーフィズ、天皇賞・春以来になるトゥインクル、トーセンレーヴ、そして前述したホッコーブレーヴ、フロスト、ミラノのマイネル軍団、さらには巴賞2着のマテンロウボスといったところが人気を分け合うことになりそうだ。
しかし、いずれも信頼性に乏しいうえ、ハンデ戦。何とも難解な一戦と言っていい。
穴っぽいところで、すぐに目に飛び込むのは、ツクバアズマオーだろうか。こちらは巴賞3着馬。このレースは3カ月ぶりの実戦だったが、ハナから函館記念が目標だったことを思うと、明らかな“叩き台”であることがわかる。勝ち馬とコンマ3秒差なら、陣営にとっては思惑どおりの結果だったと言っていい。使われて良化しているうえ、ハンデは前走より2キロ軽い54キロ、あるいは53キロだろうから、チャンスがあっていいわけだ。
曾祖母ディライターは、米GIイエローリボンSの勝ち馬。血統的にも一本筋が通っており、食指が動く。しかし、穴人気になることは明らかで、ならばもうひとひねりしてみよう。
当方が最も期待を寄せてみたいのは、フェイマスエンドだ。
こちらも巴賞が3カ月半ぶりの実戦で、結果は4着。3着のツクバアズマオーとはクビ差。同じ56キロでの出走だったことを思うと力は互角か。巴賞はツクバアズマオーと同じくオープン昇級初戦で、ともに最も連対が多く、勢いある5歳馬。大いに狙いが立つというものだ。
ただ、ツクバアズマオーに比べると目立った血統とは、とても言いがたい。近親、一族にこれといって活躍馬がいないのだ。それでもレースセンスは光る。巴賞も終始好位で立ち回り、直線を向いた時はレッドレイヴンと一緒に伸びてくると見られたぐらい。
比較的前々で上手に競馬ができることを思うと、小回りの函館は間違いなく合っている。こちらも恐らくハンデは53~54キロ。陣営にとっては満を持して挑んでたに違いないのだ。
「函館は、この馬にとって競馬をしやすいはず。力を要する洋芝も合っている」
こう期待感たっぷりに話すのは、鮫島調教師だが、一度使われたことでこの中間は馬体も締まって好気配。実にいい雰囲気にあり、晴雨にかかわらず大きく狙ってみたい。