ネズミのごときセコイ金銭問題で舛添要一前都知事(67)が辞任して1カ月。候補者の出そろいは告示直前までずれ込んだが、有力候補たちはいずれも叩けばホコリが出まくる有名人ばかり。ここは我々が向こうズネを突こうではないか!
混戦模様の都知事選で、いの一番に先制パンチを繰り出したのが元防衛相の小池百合子氏(64)だ。政治部デスクが手腕を評する。
「浮動票の多い首都決戦では後出し候補が絶対有利と言われる中、他候補に先んじて出馬を明言。舛添問題では第三者委員会の設置で徹底追及を公約に掲げ、都議会に対しては冒頭解散までチラつかせて宣戦布告した。新聞・ワイドショーは連日べったり小池氏に張りつき、みごとにメディアジャックを成功させました」
7月10日の参院選開票直後には党本部にみずからの推薦取り下げ願いを提出、自民党本部とも全面対決の姿勢を貫いた。
「これまで、自民党での小泉純一郎元総理(74)をはじめ、次々と大物をパトロンとする“ジジ殺し”で政界をのし上がった“政界の渡り鳥”のテクニックはさすが。現安倍政権では冷や飯を食っていたから出馬を決意した背景はあるが、自民党支持者の一部からも不退転の心意気は潔し、と支持は根強い」(自民党関係者)
その小泉氏は、7月5日の会見で、「いい勝負カンをしている。前は『女は愛嬌、男は度胸』と言ったが、今は女も度胸がある」と、退路を絶った小池氏の決断力をほめたたえている。
「議会、党への対決姿勢はかつて抵抗勢力と対峙した小泉劇場を連想させる。出馬に際しては、“師弟を超えた関係”と寵愛された小泉氏からお墨付きを得ており、さすがに小泉氏が街頭演説に立つまではできないだろうが、応援エールを贈るなど後方支援を仕掛ける公算は高い」(前出・政治部デスク)
その一方、自民・公明から推薦を勝ち取ったのが、元総務相で岩手県知事を務めた増田寛也氏(64)である。
「そもそも党本部では民進党が蓮舫氏(48)を出してくるものと想定し、強力な対抗馬として、総務省事務次官でアイドルグループ・嵐の櫻井パパとして知名度の高い桜井俊氏(62)の説得に動いたが、調整できませんでした。しかし、蓮舫氏が不出馬となるや、手堅い人材に切り替え、実務経験があり金銭問題がない増田氏に白羽の矢を立てた」(前出・政治部デスク)
自民党は最終的に小池氏の出馬を翻意させられず、増田氏は保守分裂のまま告示3日前に出馬を表明。
「とはいえ、この2人の対決シミュレーションをしたところ、知名度では負けても組織票を持つ増田氏は小池氏にダブルスコアで圧勝する結果になった」(前出・自民関係者)