これに対して候補者選出で、後れに後れを取ったのが民進党だ。
「党内からは、大臣や県知事経験者の名が次々にあがっては消える迷走ぶりでした。一時は『野党統一』を呼びかけたタレントの石田純一(62)に対し、岡田克也代表(63)が『すばらしい方だ』と本気で擁立に傾いたこともあった。最終的に、民進党都連が告示3日前に元経産省官僚の古賀茂明氏(60)に正式に出馬を要請したが、その日のうちに党本部はジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)に急きょ鞍替えするドタバタぶりでした」(政治部デスク)
結局、鳥越氏の出馬会見は告示2日前。都連と党本部が一枚岩でないねじれ体制が浮き彫りとなった。この鳥越氏擁立には陰の立て役者がいたという。
「そもそもポスト舛添の筆頭候補といえば蓮舫代表代行です。出馬すれば敵なしと言われながら、参院選が重なったこともあり、結局出馬を見送った。その責任を感じみずから候補者を探し、夫が秘書を務めるジャーナリストの田原総一朗氏を介して接触し、一本釣りを成功させたんです。選挙戦で自身はもちろん、有名ジャーナリストがこぞって応援演説に駆けつけることとなる」(民進党関係者)
選挙戦は三つどもえの激しい戦いとなりそうだ。
「都議会にノーを突きつけたほか、舛添氏が推進していた韓国人学校への用地貸し出しの白紙撤回を打ち出し“ネトウヨ”を歓喜させ、先手必勝でリードしたのが小池氏。ですが、自民党が身体検査したところ、舛添氏以上に政治資金が真っ黒で推薦を見送った経緯があるんです。すでに安すぎる事務所費などが叩かれているが、今後、政治パーティなどさらに疑惑が追及されることになる」(政治部デスク)
自民党都連は「小池に投票すれば除名処分」など、党内の締めつけを一段と強めているだけに小池氏はさらに窮地に立たされそうだ。
「とはいえ、推薦を得た増田氏も安泰ではない。岩手県知事として実務経験はあるものの、3期12年の任期中に公共事業をバンバン推進し、1兆4000万円もの赤字を出している。知事時代の海外出張でファーストクラスを利用していたことまで追及されれば、前任者と大差ないですから、一気に圏外へと沈むでしょう」(前出・政治部デスク)
となるとやはり最後発の鳥越氏が有利なのか──。
「一番の弱点は最高齢候補であること。それに過去4度のガン手術を経た体で、タダでさえ激務の都知事職が東京五輪まで務まるのか不安視されている。ましてや女性に人気のあるモテ男だけに、女性関係など私生活醜聞が飛び出せば木っ端みじんで、一部マスコミは躍起になってスキャンダルを探しています」(前出・政治部デスク)
混迷を極める都知事選を政治評論家の浅川博忠氏が一刀両断する。
「主要3候補の中で本命は増田氏です。これまで、知名度優先で選んだ都知事が3人連続で任期を全うできなかったから、今度は実務家という流れになる。投票日が行楽シーズン最中なだけに投票率が伸びないことが予想される。浮動票頼みの小池氏、鳥越氏には厳しい戦いになるでしょう」
究極の後出しか、鉄の組織票か、はたして最後に勝つのは──。