勤務態度は不真面目だった。入居者の手に落書きをしたり、遅刻や早退もしばしば。昨年1月には入れ墨を入れていることが発覚。
「業務中は利用者に見えないように」と厳重注意を受けても、短いシャツを着て威嚇するように施設を歩いていた。今年2月に入ると、
「障害者は死んだほうがいい」
「重度障害者の大量殺人はいつでも実行できる」
と、常軌を逸した差別発言を同僚に繰り返すようになり、園から注意を受けると開き直って2月19日にみずから退職する。
「危険人物」と察した園の要請で、津久井署員に事情を聞かれ、緊急措置入院することに。そこで尿と血液の検査をすると、大麻成分が検出された。3年前まで植松容疑者と一緒に遊んでいた女性が振り返る。
「当時はクスリをやっていた話は聞いたことはありません。グループの中ではお笑い担当でしゃべりがうまく、ノリノリで場を盛り上げていました」
植松容疑者が通っていた相模原市内のクラブのスタッフもこう語る。
「最後に来たのは、3年ほど前。ここはセキュリティチェックが厳しいので、大麻を持ち込んでいたらすぐにわかります。店に来るとスタッフに、『お世話になります!』と礼儀正しかった。クラブの客でそんなこと言う人は珍しいので覚えています」
それでも5月に会った高校の同級生は、
「大学卒業前から、アッパー系の脱法ハーブを吸っていました。言動がラリっていることも多かった」
退職前後の時期に、植松容疑者は金に困窮している様子だったという。「やまゆり園」で働いている時も、休日を利用してアルバイトをしていたようだ。ある建設作業員がこう明かす。
「現場責任者が持っていた書類に『植松聖』と記名してありました。2月半ばぐらいでしたが、浅草駅近くの隅田川沿いにある、高速道路インターの立体交差道路のパネルを付け替える工事で植松と一緒でした。こんな事件を起こすような男には全然見えなかったね」
現場で、植松容疑者は「おはようございます!」「失礼します!」と、挨拶も普通にできていた。
「昼食時に、『前は何の仕事してたの?』と聞いても答えなかったけど、この職場はそういう人は珍しくないから不審な感じもしなかった。手取りは1万5000円前後で、2、3日したら見なくなったね」(前出・作業員)
同じく2月には「彼女を脅して金に換える」ことまでもくろんでいたという。
「植松は当時つきあっていた恋人に、AV出演を強要する計画を立てていました。ただ、あまりかわいくなかったので、『整形させれば大丈夫。これで金入ってくるな』とにやけていました」(前出・同級生)
無抵抗な弱者だけを狙った卑劣極まる男の正体が今、暴かれようとしている。