元側近に金銭トラブルが浮上
振り返れば、今年になって、引退後も迷走と暴走を続ける朝青龍に、古巣の相撲協会がダメ押しの三行半を突きつけたこともあった。
先の春場所4日目、去る3月14日。この日、朝青龍はモンゴルのバトボルド首相と大相撲を観戦したが、その際、白鵬を激励しようと1人席を立ち、支度部屋の入り口に向かった。
ところが、大阪場所担当の理事である貴乃花親方から連絡を受けた5人の若手親方がスクラムを組んでこれを阻止。「もうお前とは関係ない」という協会の姿勢をイヤというほど知ることになったのだ。
相撲関係者が言う。
「人材派遣もやっている朝青龍はモンゴルの有望な若手を日本に送り込む仕事もしたかった。相撲協会はその重要な柱の一つでした。しかし、今回の件で元横綱の威光は何一つ使えないことがわかって、さぞかしショックだったと思いますよ」
そんな朝青龍の元側近もシャレにならないトラブルを起こしていた。自身が所属していた高砂部屋の先代である元高砂親方(元小結・富士錦)の次男I氏である。朝青龍を知る男として、再三バラエティ番組でコメントもしていた人物だ。
相撲界では今、I氏の消息が噂され、名古屋に潜伏中とも言われる。
「何でも、六本木で勢力を伸張しているグループとカネのことで揉め、姿を隠しているらしい」
と前置きして、前出とは別の元力士が証言する。
「お相撲さんはカネに野放図。親方ともなると後援者が弟子に渡してくれと言って預けたご祝儀も、横取りしてしまう。そういう姿を日常の光景として見てきたI氏もカネにはだらしないんでしょう。実は朝青龍の引退相撲(10年10月1日)のあとに都内ホテルで行われた盛大なパーティに、I氏からチケットを買った参加客から、パーティ後に送られてくるはずの引き出物が届かないと高砂部屋に苦情が殺到したんです。
チケットは高砂部屋後援会と朝青龍後援会が販売しましたが、I氏もマネジャーという立場を利用して勝手にチケットを作って売り、代金を手にした。ところが、正規のものでなかったため、引き出物が出席者に届かなかったというわけです」
高砂部屋に事実関係を確認すると、部屋の女将さんが「どこまで話していいかわかりませんが、そういうことがあったのは事実です」と、あっさり認めた。
では、なぜ朝青龍が警察に届けを出さないのか。
「I氏は朝青龍の恥部を全て握っている。爆弾を抱えた男を追い詰めると何をしゃべられるかわからないから触らないんです」(元力士)
事情を聞くため、I氏が相談役を務めているとされる亀田プロモーション事務所に連絡をしたが、
「もう、うちにはいませんし、一切、関係ありません」
暴走朝青龍が「復権」する可能性は限りなくゼロ、である。