これほど「生活保護問題」を世間に認知させた人間はいないのだから、もう少しテレビに出演させてやっても‥‥。えっ、出ている? そのわりには、「タンメン」のギャグを見る機会が減ったのは、醜聞のせいだけではなかった。みずからチャンスを棒に振る“事件”まで引き起こしていたのだ。
完全にビビって逃げ回る「おまえに食わすタンメンはねぇ!」
この香港映画の脇役の顔まねが、次長課長の河本準一(37)の代名詞ギャグとなっていた。
しかし、あの涙の会見以来、最近ではこのギャグがまったく聞かれない。それもそのはず、河本みずから番組出演の機会を減らしているというのだ。
しかも、お笑い界の大御所、ビートたけし(65)の熱烈なオファーを断ったというのだから、これは生活保護問題以上の“事件”である。
その事件の舞台となったのは、7月8日に放送された「北野演芸館3〜たけしが本気で選んだ芸人大集結SP〜」(TBS系)という番組。タイトルどおりに、たけしがおもしろいと思う芸人を集めたネタ番組である。
番組関係者が明かす。
「もともと、この番組は7分間のネタを披露するため、最近のテレビ中心の芸人では、とても太刀打ちできない。その点、毎回登場する芸人は、たけしさんがみずから推薦したメンバーだけあって、実力はお墨付き。そこで今回、真っ先に声をかけたのが次長課長だったのです。たけしさんは『(不祥事はあったけど)本当に実力があるからなあ』とべたボメでした」
収録直前の段階で、次長課長の所属事務所であるよしもとクリエイティブ・エージェンシーから出演辞退の連絡が入った。
「理由は『河本が世間をお騒がせしているから‥‥』というものでした。たけしさんは、番組の目玉として起用していただけに残念そうな様子だった。ふだんはあまり行わないのですが、収録直前に出演する芸人を集めて、次長課長の出演辞退をみずから報告したのです。その際、『話題性だけではなく、芸を買ったつもりだったんだけど残念だよな』と真意が伝わっていなかったことに肩を落として話していました」( 前出・番組関係者)
ところが、辞退の理由は別のところにあったようだ。ある吉本関係者が真相をこう話す。
「事務所が断ったというよりも、河本自身が出演に難色を示したのです。本人は『(たけしに)会わす顔がない』と、しきりに話していて、逃げ回ったために、結果的には収録直前に断るということになってしまったのです」
そして、河本がたけしについて最も気にしていたのは東スポの記事だった。河本の母親が生活保護を受給していたことを謝罪した直後に、
〈たけし河本騒動斬り〉
と、1面にデカデカと見出しが躍ったのである。
その内容は、嫌な仕事でも生活のために働いている人より生活保護受給者のほうが多い収入を得ているのはおかしいとしたうえで、ましてや〈やりたい仕事やってる〉芸人が〈もらうのは『ふざけんな』って思うよ〉としている。
「河本にとってこの部分は、たけしが『ふざけんな』と怒っていると感じたようなのです」(前出・吉本関係者)