たけしは最大のお手本だった
さらに、河本の“断末魔”をより末期的にしている原因は他にもある。
芸能デスクはこう指摘する。
「まずは、相方の井上聡(36)が、いわゆる“天然キャラ”であることが、河本撃沈の要因の一つだと思いますね。同じ吉本芸人であるメッセンジャーの黒田有(43)が暴行事件から復帰する時も、相方からのツッコミを受けて、きちんと笑いに変えた。河本から言いだしにくい話題は、まず井上が触れていくべきところを、今のところは無反応ですから困ったものです」
同時期に母親が生活保護をもらっていることを告白したキングコングの梶原雄太(31)も相方に救われている。6月11日、相方の西野亮廣(32)がイベントに出席して、こう発言した。
「あの件以来、相方(梶原)とは距離を置くようにしています」
しっかりネタにして、笑いを取ったのだ。のちに、自衛官の兄が近所に住んでいたことなどが発覚して、河本よりも悪印象を与えた梶原にとっては何よりの救いだったはずだ。
前出・民放局局員が言う。
「河本はスタッフ受けも非常によく、何とか救いの手を差し伸べようという仲間もいます。実際に、マネーバラエティ番組に出演させるなんていうプランもあったのですが、今のところは実現しそうにありません」
みずから出る幕を失っているという面はあるが、本当に河本は芸人生命を絶ってしまうのか。
コラムニストで、お笑い芸人プロデュースも手がける山中伊知郎氏は、起死回生の一手をこう提案する。
「あの謝罪会見でも、河本さんは反省しているけど、福祉事務所の人と相談したとか、中途半端な印象を残してしまった。『いい人キャラ』を少しでも残したいという未練にも見えました。もちろん、そのキャラがあったからこそ、あれだけ多くの番組に出演できたという面はあるが、こうなった以上は『いい人キャラ』を捨てないと始まらない。いや、むしろ『俺は悪い人間なんだ』と開き直るぐらいの毒舌キャラになったほうが、世間も納得してくれるのではないでしょうか」
かつて、たけしは「FRIDAY襲撃事件」を起こしても悪びれずに復帰した。まさに、たけしは河本のお手本となるべき存在である。それだけに、たけしが差し伸べた救いの手を払いのけた河本は、実にもったいないことをしたのだ。
前出・吉本関係者が言う。
「まず、制作面で吉本が関わっている番組から徐々に河本の露出を増やしていこうという戦略を取っていましたが、このままではジリ貧になる一方です。いくつか生活保護をテーマにした番組のオファーもあって、会社的にはそんな荒療治をしてもいいのではないかという意見も出ています」
トンでもない悪人キャラで、河本が「タンメンはねぇ」と叫ぶ姿が見られることを期待したい。