合格メールには、宣誓書も添付され、
〈他の塾生に対して、他の政党や政治団体への勧誘、宗教上の布教や勧誘、営業活動等を一切行いません〉
など6項目が並べられている。政治部記者はこう説明する。
「東京10区の投開票が行われた日、記者団が若狭氏当選について小池氏から話を聞いていると、誰も質問していないのに、みずから政治塾について話しだしました。応募者は、『東京のみならず全国から手をあげて』と、やたら『全国』を強調。新党に向けて東京都政だけでは終わらないと、アピールしたかったようです」
新党結成がにわかに現実味を帯びる中、ある自民都議はこう話す。
「来年7月の都議選で小池新党と戦ったら、30議席以上獲られるという声が出ています」
10月9日に新潟で演説した、自民党の下村博文党都連会長(62)も、
「小池新党を作られるのは困る‥‥」
と素直に漏らしている。下村氏と小池氏の関係も、良好とは言えなかった。
「衆院補選で若狭氏が当選した時、選挙事務所に下村氏や都連所属の議員の姿がなかった。普通では考えられませんが、小池氏の『参謀』である若狭陣営との溝は深く、選挙中もほとんど相手にされなかったのです」(前出・政治部記者)
下村氏が都連会長としての顔を潰された一方で、新進党や保守党で同志だった二階氏は小池氏との関係修復に奔走している。
「党一丸となって若狭さんが勝つように!」
と補選では自民党と「一枚岩」で戦っていることを強調。都知事選で小池氏を応援した豊島区議ら7人に対する離党勧告処分の見直しも示唆していた。
「党内では、『安倍信長、二階秀吉』と呼ばれ、二階幹事長の存在感は総理に並ぶほど。最近では、旧みんなの党で代表だった浅尾慶一郎氏(52)を自民党会派に入れるなど、無所属議員の入党や会派入りが増えて党内から不満の声が上がっていますが、“秀吉”は全然聞く耳を持っていません」(自民党関係者)
自民党の総裁任期を最長で、「2期6年」から「3期9年」に延長するように主導したのも二階氏の豪腕によるものだという。
これにかみついた数少ない議員が、石破茂前地方創生担当相(59)だった。
「なぜ、この時期に議論する必要があるのか」
と、党の決定に従うとしながらも苦言を呈した。8月の内閣改造で安倍総理から農水相の打診を断った石破氏は、次期総裁選で安倍総理に挑むと見られ、着々と「戦闘準備」に入っている。その来るべき時に向けて「飛び道具」になるのが小池氏である。
4年前の総裁選で小池氏は、安倍総理ではなく石破氏を支援。
「都知事選に出馬する時も石破氏にだけは相談したそうです」(政治部デスク)
小池氏の参謀である若狭氏は、もともと石破派ということもあり、安倍総理より“蜜月関係”は一歩リードしている‥‥。