80年代漫才ブームの牽引者である、ツービート・ビートたけしとB&B・島田洋七。出会いから30年以上の月日が流れ、現在、たけしは東京、洋七は佐賀県に住んでいるため、かつてのようなベッタリ親密な関係ではなくなった。ところが、売れっ子時代は夫婦のような間柄だったことはあまり知られていない。演芸雑誌のベテラン編集長はいう。
「2人は7年ほど同居していたんです。たけしさんが大ヒット番組“平成教育委員会”シリーズ(フジテレビ系)に出演していたときは、収録後、洋七さんに電話をして、何が食べたいかと聞き、帰宅前、超高級車のロールスロイスで庶民派スーパーに寄って、食材を購入。晩ごはんを作ってあげていたと聞きます。洋七さんが“うどんを食いたい”といえば、麺から打ったこともあるようです」
東京・新宿で、のぞき喫茶に行ったこともある。2人が入店した時間帯には偶然、誰もいなかった。悪知恵を働かせたたけしは、「おまえ、中に入れ」と、洋七をマジックミラーで覆われたヌード部屋に入れ、パンツを下げて“御開帳”させた。
「それをたけしさんは、のぞき穴から鑑賞していたら、背後に気配が‥‥。酔っぱらった男性たちが『あれ、洋七じゃないか!?』と盛り上がっていたそうです」(前出・編集長)。
ちなみに今でも2人の絆は強く、2015年に公開された北野映画「龍三と七人の子分たち」で、下條アトム演じる京浜連合のヤクザの役名が「徳永」となっているが、これは洋七の本名から命名されたものだ。
当時を振り返る洋七いわく、「ほとんどテレビでできん話ばかり」。億を稼いだ男しか味わえない甘い蜜が、そこにはあったのかもしれない。
(北村ともこ)