いよいよ今年の選抜も最終日を残すだけとなった。準決勝第1試合では、履正社(大阪)が報徳学園(兵庫)相手に9回表、劇的な逆転劇を見せ、6対4で勝利。3年ぶり2回目の決勝戦進出を果たした。前回の14年第86回大会では龍谷大平安(京都)相手に2対6と敗れ、準優勝に終わっているだけに、今回はなんとしても初優勝を飾りたいところだろう。
実は春の選抜ではこの5年間、“初優勝”が連続している。12年第84回大会での大阪桐蔭に始まり、浦和学院(埼玉)、龍谷大平安、敦賀気比(滋賀)、そして昨年の智弁学園(奈良)。どのチームも高校野球界屈指の強豪で、それまで春の選抜で優勝経験がなかったのが不思議なくらいだった。中には浦和学院や敦賀気比、智弁学園と、春夏を通じての初優勝だったチームもあるほどだ。そして今回の履正社も春夏を通じて初の優勝を目指す。果たしてこの流れに乗ることが出来るか。
とはいえ、履正社には不吉なデータもある。それは、選抜の前年秋に開催された明治神宮大会の優勝校が“苦戦している”というデータだ。履正社は昨年秋の明治神宮大会決勝で早稲田実(東京)を11対6で降し、優勝を飾った。その実績を買われ、今大会も堂々の優勝候補筆頭に推されていたワケだ。しかし、現在のように秋季地区大会の優勝校10チームによるトーナメント形式の大会になったのは00年の第31回大会から。それ以降、明治神宮大会の優勝校で春の選抜も制覇したのは02年第74回大会の報徳学園ただ1校のみ。逆に準優勝止まりだったのは、04年第76回大会の愛工大名電(愛知)、12年第84回大会の光星学院(現・八戸学院光星=青森)、そして昨年の第88回大会の高松商と3チームもあるのだ。履正社にはなんとも不吉なデータであるろう。
履正社にとって有利なデータと不吉なデータが並ぶ決勝戦。さて、その結果はいかに。
(高校野球評論家・上杉純也)
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