今春の選抜は、大阪府勢が好調である。実は都道府県別の春の選抜通算勝利数で、大阪府は昨年の大会終了時点で189勝を挙げている。今大会でも3月28日時点でベスト8に2校が残っており、200勝の大台まであと少しなのである。もちろんこの数字は47都道府県でダントツ。2位の兵庫県が167勝だから、いかにこの数字がずば抜けているかがわかる。
大阪府勢の勝ち星の内訳を見てみると、1位はPL学園の48勝、2位は大体大浪商の32勝、3位は上宮の19勝。以下、大阪桐蔭18勝(3月28日時点)、履正社12勝(3月28日時点)と続き、近大付と関大北陽がそれぞれ10勝で6位タイに並んでいる。二ケタ勝利を挙げているのはこの7校。ちなみに大阪府勢の春夏通算の勝利数は360勝に迫る勢い。その半分以上の勝ち星を春の選抜で挙げているのである。
2位の兵庫県は昨年までで165勝。今大会も3月28日時点で報徳学園が2勝し、計167勝を挙げている。その内訳は1位がその報徳学園で32勝(3月28日時点)、2位は神港橘の16勝、3位は東洋大姫路の13勝、4位に育英と明石がそれぞれ12勝で並んでいて、この5校が二ケタ勝利を挙げている。意外なのは春夏ともに1回ずつの優勝経験があり、準優勝も夏1回経験している古豪の関西学院。なんと春は優勝した時に挙げた4勝のみ。計6回出場しているうち、あとの5回は初戦敗退を喫しているという結果となった。
3位は166勝で愛知県。実は昨年の大会終了時点ではわずか1勝差で兵庫県をかわして2位だったのだが、今大会で兵庫県に逆転され、3位に転落した。ちなみにこの166勝のうち、中京大中京が55勝、東邦が51勝。この2校で約3分の2の勝ち星を挙げていることになる。かなり離れた3位が愛工大名電の16勝だから、この2校の強さがよくわかる。
4位の東京は124勝で、日大三が26勝、早稲田実が23勝、帝京が21勝。この三校が20勝超えしており、東京都の通算勝ち星数に貢献している。合計100勝を超えているのはこの4都府県のみ。これに続くのが95勝の和歌山県となっている。
逆に勝ち星数ワースト3はというと、45位が富山県で7勝、46位が佐賀県の6勝、そして最下位47位が新潟県の3勝となっている。そしてこの新潟県の3勝はすべて日本文理が挙げたものなのだ。日本文理以外に新潟県に勝ち星をもたらすチームは果たしていつ現れるのだろうか。
(高校野球評論家・上杉純也)