4月30日時点で62勝と、東西リーディングを突っ走り、かつ、勝負強さが際立つM・デムーロ。今年はすでにGIフェブラリーSを含む重賞8勝、連対率は驚異の4割超えと、馬券を握りしめるファンにとっては心強い活躍を見せている。ただ、意外なことに「制裁点」でも毎年のように上位にランクインしているという。スポーツ紙デスクが話す。
「昨年の戸崎圭太は、斜行などで科せられる制裁が一度もありませんでした。制裁点ゼロでの東西リーディング受賞は史上初のことです。ただ今年は、デムーロの調子があまりにもいいので、もしかしたら昨年の真逆、制裁点トップで東西リーディングに輝くかもしれませんね(苦笑)」
デムーロは4月29日の青葉賞でも、最後の直線で外側に斜行し、過怠金3万円の制裁を科せられている。前出のデスクが続ける。
「昨年、デムーロに科せられた制裁は70点を超えていて、最多勝利新人騎手に輝いた木幡巧也とトップを争うほど。デムーロは『人気馬をどう負かすか』を常に考えているタイプ。ふだんは陽気なイタリア人ですが、レースになると“熱き男”に変わりますからね」
今年の皐月賞の時もペルシアンナイトでクビ差2着に敗れると、激情をあらわにしたという。専門紙記者が振り返る。
「ゴール板を過ぎて戻って来る時、初GI制覇で頬が緩む松山弘平に対して中指を突き立てるようなしぐさをしていたと、ネット上で批判が相次ぎました。松山はゴール直前に外側に斜行して3着ダンビュライトをあおり、過怠金5万円を科せられましたが、4コーナーでもデムーロと進路を巡ってアツい攻防があった。どうやら、それに対する怒りだったようです」
この“中指騒動”の真偽のほどは不明で、JRAからのおとがめはなかった。栗東担当の記者が話す。
「サッカーであれば、侮辱行為で一発退場でしょう。松山に事実関係を聞いたら『ふだんからボク、よく思われてないんッスよ』と、意味深な返答でした」
また、デムーロと制裁点でトップ争いを演じた木幡巧也と蛯名との間に、あるバトルが勃発して──。
騎手たちのこうした舞台裏での“激アツな戦い”は5月9日発売の「週刊アサヒ芸能」に取り上げられているので、一読すればさらにGIシリーズが面白くなることは間違いない。