高校野球を見ていると、「日大○○」や「東海大○○」といった日大と東海大の付属校をよく目にする。もはや高校野球における大学付属校の2大勢力と言ってもいい存在だろう。だからこそこんな疑問が浮かんでくる。この2大勢力、果たして甲子園での成績はどちらが上なのか。まずは出場回数の合計を比較してみた。
日大系列校と東海大系列校は全国各地に散らばっており、高校野球界では名が知られた強豪校も多い。今夏の出場校では日大系列校は3校が出場を決めたが、東海大系列校は1校のみ。東海大高輪台(東東京)と東海大相模(神奈川)が予選決勝まで勝ち進んだが、惜しくも敗れ、早稲田実に勝って西東京代表となった東海大菅生が牙城を守った形となった。
今夏の出場校では3対1で日大系列校に軍配が上がったが、その日大系列校で最多出場を記録しているのが、今回4年ぶり17回目の出場を決めた日大山形だ。日大山形は山形県勢としても最多の出場回数を誇り、前回出場した13年第95回大会では県勢初のベスト4進出を果たしている。
これに続くのが2度の夏の優勝経験のある強豪・日大三(西東京)の16回。二ケタ出場回数があるのはこの2校のみで、3位に9回で長崎日大がつけている。
対する東海大系列校は東海大甲府(山梨)の13回がトップ。続く2位に10回で2年前の夏の覇者・東海大相模(神奈川)がランクインした。3位には東海大山形と東海大静岡翔洋がともに6回で並んでいる。
東海大系でトップとなった東海大甲府は山梨県勢としても最多出場を誇っているが、中でも84年第66回大会から88年の第70回大会まで5年連続出場を果たした点は特筆に値する。山梨学院大付や日本航空が台頭してきた近年でも、県勢ナンバーワンの地位は揺るがない状況だ。
では、結局のところどちらが上なのか。結論から言うと日大系列校の84回に対し、東海大系列校は47回。さすが日本最大規模と言われる日大系列校の圧勝であった。日大系列校には22の高校に野球部があるのだが、そのうち計16校が夏の甲子園に出場を果たしている。一方の東海大系列校も野球部のある13校のうち10校が夏の甲子園出場経験があるものの、出場校数で勝る日大系列校には及ばなかった。とはいえ、東海大系列校は全13校のうち、春夏通算で数えると12チームに甲子園出場経験があり、全校出場にリーチをかけている。そして、その甲子園出場経験がないチームが東海大高輪台である。そう、今年、9年ぶりに東東京大会予選決勝まで進出したものの、二松学舎大付に1‐9で敗れたチームである。果たして東海大系列校の全校甲子園出場の夢が叶う日は来るのだろうか。
(高校野球評論家・上杉純也)