── その手法はまさに小池百合子都知事が今年7月の都議選で繰り広げた戦術ですね。既存の候補者に頼らず、フレッシュな新人候補者を次々と擁立する「小池方式」こそ、「日本ファーストの会」の真骨頂と言えるのでは。政治塾「輝照塾」と小池都知事の「希望の塾」との連携はありますか。
僕は「希望の塾」には関与していなくて、そこにどういった人がいるのかも、現時点ではまったくわかりません。「希望の塾」で国政に出たいという人がいたら、「輝照塾」に応募してもらうという形になります。「希望の塾」は「政治を学んでもらう」ことがコンセプトだと思うのですが、「輝照塾」はあくまでも国政選挙に向けて限定する塾となります。
── 「輝照塾」の応募状況はどうですか。
8月14日の時点で400人程度ですね。最終的に書類と面接で200人ほどにしぼりますが、少なくとも応募は1000人を超える可能性があるので、応募してくれた人でも塾生になれない確率のほうが高くなります。
── 一方、政党設立を掲げつつも、具体的な政策が見えてこない、との指摘もあります。
当然、具体的には考えていて、先々に発表しますけど、政策課題について僕がなかなか言いにくいのは、今、「日本ファーストの会」で塾生を募集する中、50個ぐらいの政策課題をチェックしてもらうアンケートを求めているからなんです。憲法、外交安保、財政経済、エネルギー問題、社会福祉問題など、政策課題はいろいろあるのですが、そういう理由で、まだ政策課題については言えないんですよ。
── 受講希望者に「答え」を知られてしまうということですか。
そうです。今の政治において、政策課題で何をするかということは当然、大事ですけれど、僕はその政策課題を実現するための政治手法も非常に大事だと思っていて、この点を根本的に変えないといけない。「課題」と「手法」を分けたうえで考えているんです。
── 手法として「女性の活躍」も推進していますね。
やはり女性(の議員)が増えないとダメですよ。少なくとも半分ぐらいにはしないといけない。自民党が「男の現職を差し替えて女性に」というのは現実的に難しいですから、実践できないと思います。しかし、ウチはそういう意味で現職がいるわけではないですから、そこに資質のある女性を出すことが可能になる。「女性の観点」は大事だと思うんですよ。去年の都知事選で僕が小池さんをどうして推したかというと、東京都知事を女性にしたかったからです。
── 小池都知事との信頼関係は非常に厚い。
僕と小池さんの関わり合いは、去年の都知事選以前から始まっているんですけれど、もともと、僕と小池さんと野田聖子さんで毎週水曜日にランチミーティングをやっていたんです。それが始まったきっかけは、2年前の野田さんの総裁選。僕は事務局長をやっていて、推薦人を20人集めるために、深夜まで野田さんとホテルに閉じこもっていたんですが、その時に小池さんが推薦人になってくれた。その後、ランチミーティングで小池さんが「都知事選に出る」と言うので、今度は野田さんが小池さんを陰ながら支援する、と。そういう一連の流れがあるんですよ。同じところは「政治手法」。「古い都議会を新しく」という小池さんのキャッチフレーズがあるけど、あれも「政治手法」の問題。「しがらみ政治はダメ、利権政治はダメ」ということについて、もうほとんど小池さんとは共有しているんですよ。