一方、「小池新党」の動きに呼応するかのように、都議会で活動する「都民ファーストの会」の内部でも「国政進出」を見据えた動きが本格化しているという。
「都議選以降、幹部の間で『次は国政だ』との機運が高まっています。国政進出を見据えて、9月上旬には『希望の塾の事務局』として第1期塾生に半年ぶりにメールを送ったんです」
と証言するのは都民ファーストの会関係者。
そのメールの中身は「『都民ファーストの会 塾生党員』の募集案内」となっているものの、その真の狙いは、「選挙活動のため」ともっぱらなのだ。
「メールの内容は表向きは引き続き希望の塾で学べる環境づくりのために、1万円の党費を払えば、今年10月からの第二期の講義をネット受講できるという案内なのですが、実際の目的は、国政選挙のための『資金集め』と『ボランティア人員集め』。7月の都議選の時は塾生に協力を募ることはありませんでしたが、全国で戦う国政選挙となれば4000人いた第1期生を“総動員”しない手はありません」(前出・都民ファーストの会関係者)
まさに「百合子の兵法」は、小池人気に群がるファンとパトロンを縦横無尽に有効活用することで、安倍総理の奇襲解散も乗り越えようという算段なのだ。
だが、これまで一枚岩と見られていた小池氏の周辺では、ここにきて“内紛勃発”の兆候も見え隠れしている。前出・都民ファーストの会関係者が声を潜めて言う。
「実は、都民ファーストの幹部の中には、都知事の最側近として動いている若狭さんを信頼していない人間が複数いて、もはや一触即発の分裂状態になっています。中でも9月10日に都民ファーストの会代表を電撃辞任した野田数氏(44)は若狭さんと折り合いが悪く、若狭さんが立ち上げた『日本ファーストの会』との連携に猛反対していた。野田さんとしては若狭さんにイニシアチブを握られるのがとにかく嫌で、日本ファーストとの連携方針を小池さんから聞いた直後に辞表を出したんです」
これが少数意見とは言えず、反・若狭を標榜する関係者は少なくないようなのだ。
「野田さん以外の人からも、若狭さんと離れるべきという意見が小池氏に多く寄せられています。10年以上前のスキャンダルで、いまだに“モナ男”などと呼ばれていますが、“政治素人”の若狭さんよりも元環境相のキャリアを持つ細野さんを重視すべきだという声も上がっています」(前出・都民ファーストの会関係者)
小池氏を巡る男たちのバトルは今後の火種になりそうだ。