昨今、電車内での痴漢及び、痴漢冤罪が社会問題になっている由々しき事態だが、もとより、日々の通勤電車は我々サラリーマンの悩みのタネだった。
バリバリ仕事をするためには、移動でくたびれている場合ではない。そこで、通勤時間を快適にするオヤジテクニックを紹介しよう。
・人混みをスイスイ歩く技術
日本古来の儀礼として「手刀を切る」というものがある。鋭く指を伸ばした手を縦にして、体から30センチほど離した位置で小さく上下させ「すみません」などの言葉を添えて通るものだが、そのまま混雑する駅構内でまかり通るほど甘くはない。そこで、ブリーフケースを提灯のように進行方向に突き出し、やや前傾姿勢で突き進むことで、手刀を切る様子を“肥大化”させるのだ。驚くほど、周りの人は避けてくれるだろう。
・片手だけで本を読む技術
まず、本を左手で持つ。そして、読む面を親指と小指、本の背を人差し指、中指、薬指で挟んで固定する。親指はページをめくるのに使い、小指はストッパーの役割となる。若造には難しいかも知れないが、オヤジの手脂ならこれでページをめくることは造作もないだろう。
・満員電車にムリヤリ乗り込む技術
扉はまだ開いているが、眼前に迫る人の壁。しかし、臆することはない。利き腕を上げ、結婚指輪を見せるような構えと共に、できるだけ申し訳なさそうな顔で人の壁と扉の上の隙間に手を差し込み、そこから体を反転させながらねじ込めば、次の瞬間、アナタも人の壁の一部となる。そして、新たに入ってこようとする無鉄砲には、できるだけ申し訳なさそうな顔をしながら、扉の上部までガード、侵入を防ごう。
・つり革につかまったまま寝る技術
右手首をつり革に通し、やや手を開くことで力を入れなくても固定できる。そこに左手を右肘に組み、額を左腕上腕部に乗せて寝れば快適な睡眠が取れる。目の前のつり革でこれをやられると、たまらず席を立ってしまうという向きも多いので、遠慮なく腰を下ろさせていただこう。
アナタが遠慮したところで、他の人すべてが同じように配慮をしてくれるわけじゃない。他人の善意につけこんで、図々しさを押し通す。駅や電車の中なんて、そんな人だらけだ。だからこそ、アナタも自身の快適のためにできることにひたむきなったっていいんじゃないだろうか。ただし、人に迷惑をかけることだけはやめよう。