老舗の足袋屋が、マラソンシューズの開発に挑むドラマ「陸王」(TBS系)。初回視聴率14.7%、第2回が14.0%と、前評判通りの高視聴率を上げている。そんなヒットドラマに目を付けたのか、何と天下のNHKが、同じようなテーマに目を付けていることが明らかになり、波紋を呼んでいる。
「2019年に放送される大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』では、中村勘九郎演じるオリンピックに初参加した男・金栗四三と阿部サダヲ演じるオリンピックを呼び込んだ男・田畑政治の2人が、リレー式で“知られざる五輪の歴史”を描きます。この中で、金栗とマラソン用足袋を二人三脚で開発する足袋屋が大きくクローズアップされていることで、記者会見の席でもどよめきが起きました」(テレビ誌記者)
さらに、11月1日に発表された新キャストの顔ぶれが二度ビックリだ。マラソン足袋を開発する店主役に「陸王」にも出演中のピエール瀧、さらにオリンピック初出場のために奮闘する“日本スポーツ界の父”嘉納治五郎役に、「陸王」では主役・老舗足袋屋の社長を演じている役所広司がキャスティングされると知り、驚きの声が上がったという。
「NHKの制作統括も、思わず“カブっちゃってびっくり”“でもそれも楽しいですよね”と開き直っていました。いくら『陸王』の視聴率がいいからと言って、NHKの看板番組が民放のドラマの内容はもちろん、キャストまでカブりまくるなんて、前代未聞ですよ」(前出・テレビ誌記者)
しかもこの脚本を手掛けるのが、ヒットメーカーと言われる宮藤官九郎だけに、首を傾げたくなる気持ちもわかる。しかし、これには理由もあるという。
「クドカンは大河ドラマの脚本を手掛けるのは、今回が初めて。NHK朝ドラ『あまちゃん』では大ヒットを飛ばしたものの、マニアックなストーリー展開が多いだけに、視聴率的に苦しむことが多いのも事実です。ところが今回は、国民的なイベントの東京五輪を翌年に控えているだけに視聴率的にも絶対に失敗できない。なりふり構っていられないという背景もあるんじゃないでしょうか」(エンタメ誌ライター)
それでなくても、大河ドラマで、近・現代モノは鬼門ともいわれている。来たる東京五輪の成功を占う意味でも、19年の大河ドラマ「いだてん」には成功を収めて欲しいものだ。
(窪田史郎)