4月にスタートするフジテレビ系報道番組で起用予定だった元NHKの登坂淳一アナが、過去のハラスメントをスクープされたことで出演を辞退することになった。公家風の顔立ちから「麿」の異名で親しまれる登坂アナのファンには残念な結果となったが、NHKを辞して民放の帯番組で活躍するアナウンサーは少なくない。その理由は何なのだろうか。
「NHKのアナウンサーは全国津々浦々、老若男女を問わずに多くの視聴者にその存在が浸透しています。登坂アナのハラスメント疑惑は札幌放送局勤務時とのことですが、NHKでは局員の異動が激しく、アナウンサーであれば一度は東京の放送センター勤務を経験するもの。全国に顔を売るチャンスに恵まれているのです。しかもNHKアナには清廉で真面目な印象があり、それも安心のブランドになっている。ただ今回の登坂アナはそうでもないことをみずから証明してしまいましたが…。ただ、この醜聞がなかったとしても、NHK出身のアナは、決していいことづくめでもないとの声もあるんです」(テレビ業界関係者)
何でも、一部には民放局のアナウンサーに及ばない点もあるというのだが、この関係者がさらに続ける。
「NHKでは台本通りに伝えることが重視されており、時間通りに収める技術は高いものの、アドリブには滅法弱いと言われています。そのため報道番組と言えどもバラエティ要素の強い民放では、期待されたほどの活躍ができないケースも少なくないのです。今回の登坂アナに関しても関係者からは、実際にフジの報道番組に就任していたら、期待外れになっていた可能性もあったとの声も出ているようです」
つまり今回の出演辞退も結果オーライということか。確かに登坂アナは、真っすぐテレビカメラを見つめてしゃべるシーンばかりが思い出され、各出演者と丁々発止のやり取りをする場面はほとんど印象がない。どうやらフジテレビでは思ったほどの成果をあげられないとの懸念もあったようだ。
(浦山信一)