さて、今回の仮想通貨ショックを受けて、芸能人たちの仮想通貨フィーバーも終焉かと思いきや‥‥。
「実際のところ、事件前よりはるかに“投資熱”が高まっていますね」
とは芸能プロ関係者。芸人の間では、
「暴落した現在が儲けるラストチャンス」
と見るムキが多く、テレビや舞台の楽屋では日々、仮想通貨に関する情報交換が行われているという。
「キングオブコント決勝の常連として知られるアラフォーの芸人Aにいたっては、消費者金融から借りられるだけ借りてタネ銭を作り、70万円割れしたビットコインに全額をつぎ込んでいました。本人いわく『人生最後のチャンス』だとか。“伝道師”のたむらもまったく反省の色を見せず『このタイミングで買わんといつ買うねん!』と力説していて、『バブル再騰』への期待が高まっているんです」(前出・芸能プロ関係者)
投資の鉄則は「底値買い」と言われるだけに、再ブームの熱は一般にも広まっているようだ。
「コインチェック事件以降、新規の取引口座開設が3倍に膨れ上がりました」
大手仮想通貨取引所の社員はこう明かしたうえで、新規の顧客層について語る。
「日本円での引き出しを停止している(2月7日現在)コインチェックからの“乗り換え”も一定割合ありますが、口座開設者の大半が『初めて仮想通貨に手を出す人』と見ています」
約580億円が流出した事件などまるで気にしていない楽観論者ばかりだという。
「業界内では『コインチェックのセキュリティーが甘かっただけで、仮想通貨自体に問題があったわけではない』という見方が一般的ですね。コインチェックは常時インターネットにつないだ状態でコインのデータを保管していましたが、例えるなら、銀行で客から見える場所に札束を積んでいるようなもの。以前から『北朝鮮のハッカーに狙われている』と噂されていました」(前出・取引所社員)
仮想通貨の再ブレイクを見据えて投資を考えている人向けに、初歩の初歩となる「取引所」の実態を明かすと、
「そもそもコインチェックは、資金決済法に基づく取引業者として金融庁の審査を受けながら、いまだ登録に至っていない『みなし業者』。『法律ができる前から営業している』との理由から“経過措置”として存続しているサービスにすぎません。出店禁止区域なのに営業が許されている“老舗風俗店”みたいなものですね」(前出・取引所社員)
裏を返せば、金融庁に「仮想通貨交換業者」として登録された取引所は、行政からいちおうの安全性が認められたと言える。取引所を選ぶ際は確認すべきポイントだろう。
そもそも、仮想通貨がここまで普及したのは、利用者にとって大きなメリットがあったからだ。
「まず『現金を携帯せずに買い物ができる』『送金手数料が安い』といった決済の利便性があげられます。QRコードをスマホで読み取って、簡単な操作だけで支払いができるうえ、お店側にとっても、クレジットカード会社に支払うよりも比較的安い手数料で済みます。ただ、手数料に関してはコインの種類で違いがあります」(前出・取引所社員)
しばしば「実体がない」と信頼性を不安視する声が聞かれるが、
「ビットコインをはじめとする多くの仮想通貨はコインの発行枚数の上限が決まっているので、法定通貨と異なり、大量発行によるインフレで破綻するようなことはありません。目に見えなくても、データとしての信用が価値を担保しているのです」(前出・取引所社員)