桜花賞は期待どおり見応え満点の激しい決着だった。今週のメイン、皐月賞は、どんなドラマが生まれるのだろうか。
ここ何年かは顔ぶれがよく、ドラマチックな競馬が展開されたが、今年もファンの目が釘づけになること請け合いである。
最有力候補と見られていたダノンプレミアムは、挫跖で回避となったが、共同通信杯を勝って目下3連勝中のオウケンムーン。京成杯を制して、ここ一本に満を持すジェネラーレウーノ。GIホープフルS2着の良血ジャンダルム。朝日杯FS2着、スプリングS1着と周囲の期待が大きいステルヴィオ。ホープフルSを勝利し、将来を嘱望されるタイムフライヤー。そしてスター候補で今回最有力と見られるワグネリアンという面々が、どんなパフォーマンスを演じてくれるのか。馬券抜きにしても楽しみなレースである。
が、そうは言っても、馬券を的中させないことにはおもしろ味は半減する。ただ皐月賞は、人気、下馬評どおり、順当に収まるとはかぎらない。
馬単が導入された03年以降、これまでの15年間、その馬単で万馬券になったのが7回(馬連4回)。この間、1、2番人気馬のワンツーは3回あるものの、1番人気馬は4勝(2着3回)、2番人気馬は1勝(2着4回)。先の桜花賞に比べて荒れる傾向にあるGIと言っていいだろう。
その点に関しては出走各馬の父親を見てみるとわかる。ディープインパクト産駒が最も多いのは当然としても、それでも4頭。続いてハーツクライ産駒が2頭で、あとは全て父親が異なる。“種牡馬間戦争”という視点で見るのも一興だろう。
いずれにせよ、前記した有力勢であっさりと決まるのか。穴党としては、疑ってかかりたいのだ。
そこで狙ってみたいのはエポカドーロである。
前走、スプリングSの際も当欄で本命視、推奨したが、さらに強敵がそろうここでも強気にイチオシしてみたい。
そのスプリングSは、初のオープン戦で一気に相手が強くなったが、にもかかわらず積極策に出て、直線2番手から抜け出すと、最後はステルヴィオの末脚に屈したものの、あわやの好勝負を演じて見せたのだ。
それだけの力量を秘めていればこその結果だったが、いきなりこれだけの芸当を見せつけるのだから、並の馬でないことは明らかだ。
使われてさらに良化しており、この中間はいたって順調。1週前の追い切りも実に軽快でリズミカルだった。
「負けはしたが納得できるレース内容だった。まだまだよくなる馬で、一戦ごとに地力強化されており、本番が本当に楽しみ」
藤原英調教師は、こう状態のよさを強調するが、期待が大きいからこその物言いでもあることは明らかだろう。
母系は欧州の一流血脈で、一族、近親に活躍馬が多くいる血筋。走りっぷり、血統(母系)から道悪になってもまったく問題はない。晴雨にかかわらず大きく狙ってみたい。