スポーツ紙競馬担当記者が言う。
「美浦・菊川厩舎のジュラブスカイト(牡)に期待しています。母バルスピュールは芝、ダートの両方で韋駄天ぶりを発揮したスプリンターでした。その母父はサクラバクシンオー。つまり、サクラバクシンオーの2×3のインブリードが生じる。一歩間違えると常軌を逸した馬になりかねない配合ですが、そこには生産者の実験精神がうかがえます。うまくいけば、爆発的なスピードを持つ馬の活躍となるかもしれません」
マイルまでが守備範囲となるだろうが、そのパワーでダートも十分にこなせるはずだ。
「外国産種牡馬なら、重賞未勝利でも産駒に米GI勝ちがいるダンカークに魅力を感じます」
と推すのは、競馬ライターである。
日本における初のアンブライドルズソング系種牡馬だが、すでにマル外として結果を出している。競馬ライターが続けて解説する。
「フォンタネットポーが3勝を挙げたほか、キープアットベイ1戦1勝、コスモオヌール1戦2着‥‥というように、産駒の勝ち上がり率の高さもあってか、初年度から人気を博しています。登録頭数は115頭。産駒は総じてフットワークに切れがあると評判です。期待馬として挙げたいのは、美浦・尾関厩舎のグランソヴァール(牡)でしょうか。6月の東京でデビュー予定ですが、500キロを超える巨体が繰り出す走りは、ダイナミックそのもの。それでいて動きに硬さもない。尾関師も『もしかしたら、芦毛の怪物かもしれません』と自信たっぷりです」
馬券的に手堅く狙うならダートの短距離だが、芝で走る馬も出てくるだろう。
最後に、隠し球的な種牡馬を。それがダートの交流重賞で活躍したシビルウォーだ。中央での産駒勝ち上がり率5割強のウォーエンブレム(米2冠馬)が残した、現在のところ唯一の後継種牡馬である。
そのせいか、思いのほかいい肌馬と交配。登録頭数は38頭と少ないものの、産駒の多くは父譲りの柔らかい芝向きの筋肉をしているという。
「主戦場はダートでしょうが、芝でもやれそうだと言われています」(トレセン関係者)
穴の種牡馬としてマークしておきたい。
というわけで、新種牡馬チャンピオンの予想としては──、
◎ジャスタウェイ
○ベルシャザール
▲ダンカーク
△トーセンジョーダン
といったところか。