ベルシャザール産駒の注目馬は、美浦・大竹厩舎のアルチェーレ(牝)。今年のマーチSを勝ったセンチュリオンの半妹で、注目度は高い。4月12日の産地馬体検査でも、その馬体のよさはひときわ目立っていた。入厩は秋になるようだが、出走してきた際には目が離せない一頭だ。
続く要注目馬が栗東・松田国英厩舎のオリーブジュエルの16(牡)。母父がディープインパクトなので、サンデーサイレンスの3×3のクロスが生じる。
「この大胆な配合が功を奏するかどうかは走ってみないとわかりませんが、生産した社台ファーム関係者は『体重が増えるのに比例して、動きもグングンよくなってきている』と話していますね。入厩は少し先になるようですが、出走してきたら注意したい。芝、ダートともに走りそうですが、手堅く狙うのならダートを使ってきた時でしょう」(競馬ライター)
内国産では、非サンデーサイレンス系の貴重な種牡馬、トーセンジョーダンも気になるところ。
天皇賞・秋をレコードで制したように、スピードとスタミナを兼備しているのが魅力だ。しかも、春の天皇賞でも2着するなど、長距離適性も備えている。先にデビューした半弟のトーセンホマレボシも初年度産駒から重賞ウィナーを出しており、種牡馬として成功する条件はそろっている。産駒の登録頭数は74頭と決して多くはないが、期待していいのではないか。トレセン関係者が言う。
「その期待値は、初年度にノーザンファームが12頭(全てサンデー系牝馬)の種付けをしたことでも証明できます。注目馬はその12頭のうちの一頭、栗東・池添厩舎のバンクショット(牡)ですね。母バプティスタは重賞勝ち馬こそ出していませんが、イースター、デウスウルトなど、重賞入着馬は多数。そう考えると、一定レベル以上の活躍馬が出る可能性は高い。今はじっくりと鍛え上げているところで、秋以降のデビューとなる予定です。産駒は父に欠けていた切れ味がアップするかどうかがカギとなるでしょう」
ノーザンが切れ味に定評のあるサンデー牝馬を徹底して付けたのも、そこに狙いがあったからだ。
朝日杯FS、NHKマイルCと2つのGIを制した名マイラー、グランプリボスも注目の一頭だ。父サクラバクシンオーはスプリンターズS連覇など、短距離重賞を5勝した歴史的なスプリンター。種牡馬としても優秀で、高松宮記念を勝ったショウナンカンプやビッグアーサーを輩出している。グランプリボスはその後継馬として期待され、初年度からサクラバクシンオー産駒としては過去最高となる123頭の牝馬に種付けされたほどだ。