いよいよ開幕したサッカー・ワールドカップのロシア大会。日本代表の試合はもちろん、各国代表チームが繰り広げる熱い戦いへと釘付けとなり、寝不足になっている人も少なくない。そんな視聴者の間で「あの看板の正体は何?」と話題になっている企業があるというのだ。
「ピッチの周囲に張り巡らされたLED看板には、大会公式スポンサーの広告が次々と表示されます。本大会では7社がスポンサーを務めており、アディダスやコカ・コーラ、現代自動車といったおなじみの社名が並ぶ中、『WANDA 万達集団』という看板が気になるという視聴者が続出。漢字表記なので中国企業と思われますが、本大会に中国は出場していないため、なぜワールドカップのスポンサーを務めているのか、疑問が疑問を呼んでいるようです」(テレビ誌のライター)
このWANDA、中国国内では大型ショッピングモールの万達広場を展開しているほか、高級ホテルも手掛ける不動産業者だという。そのような業態であればわざわざワールドカップで宣伝を打つ必要はなさそうなものだが、WANDAの社名は知らなくても、同社が所有する施設を利用したことがある欧米人は大勢いるというのだ。
「同社はいまや世界最大の映画館チェーンなのです。アメリカでは映画館の代名詞でもある『AMC』などを買収しており、16年にはヨーロッパ最大の映画館チェーン『オデオン・シネマズ』を買収。現在は全世界で1352館、1万4347スクリーンを展開しています。日本で最大のイオンシネマでも85館、719スクリーンですから、WANDAの巨大さは途方もありません。近年は映画製作にも乗り出しており、青島ビールで有名な青島市に8000億円を費やして世界最大の映画スタジオ『青島東方影都』を建設。そのうち日本でも、同スタジオで製作された映画を観るようになる日も近いでしょう」(映画ライター)
まさか世界の映画館を中国企業が牛耳っているとは。ともあれ謎が一つ解けたことで、試合に集中することができそうだ。
(金田麻有)