11月の第2次欧州遠征では、W杯予選を8勝2分で突破し、FIFAランク5位にまで浮上したベルギーから金星を奪った。だが、2度の欧州遠征で、釜本氏は「ザックJAPANの弱点がかいま見えた」と指摘するのだ。
やはり失点のしかたに問題があるね。セルビアやベラルーシが、ラインを引いて守りに徹し、カウンターを狙ってくることをわかっていながら失点を許したし、オランダやベルギーからも長いパス1本で、簡単にやられてゴールを与えた。あと半年間で、ここをしっかりと修正しないとダメでしょう。
10年の南アフリカW杯でベスト16に導いた岡田武史前監督と、ザッケローニ監督の戦略の大きな違いが守備隊形だ。ディフェンスラインを低く設定してカウンターを狙う岡田監督に対し、ザッケローニ監督はラインを高く保ち、相手の守備を崩していく戦術を取っている。当然、攻撃力はアップするが、DFラインの後ろに大きなスペースが広がるために、相手のカウンターに対する読みや瞬発力、スピードが問われる。まさに、欧州遠征では、その攻撃的なサッカーのモロさが露呈した形となった。
やはり日本のサッカーは、ラインを引いてきちっと構えて相手に来させるという形を常に取るようなスタイルが合っていると思いますな。岡田監督しかり、ロンドン五輪の関塚隆監督のようにね。守りを固くしてカウンターで攻めるというサッカーやね。
日本代表はまだ、この前のコンフェデ杯でのイタリア戦(3対4で惜敗)で見せたような打ち合いの試合はできませんよ。観ている側は点の取り合いはおもしろいだろうけど、守り倒すのもサッカー。“カテナチオ”と称されたイタリアのサッカーのようにね。
昨年のクラブ杯だって、南米のコリンチャンスがチェルシー相手に守り勝ってるし、今の日本代表がW杯で結果を残すには、前回のように守り抜くほうがいいと思うな。