どの世界でも、一流になる人は先人の教えをどこか自分に生かしてるね。例えば武蔵の話を聞いて「あぁそうか、武蔵は強かったんだなぁ」とポカーンと口開けてるだけのアンポンタンはそのラベルの人なんだよね(レベルじゃない、ラベル。これ、ガッツ語だね)。一流になれる人は、偉人の教えを自分の身に生かせるんですよ。
だから俺も武蔵の精神を自分に生かしてみた。
武蔵は毎日毎日、来る日も来る日も剣の鍛錬をした。俺も毎日、ボクシングの練習をやって、寝ても覚めてもボクシングのことばっかり考えてた。武蔵は剣を極めようとした。俺は拳闘の「拳」はもう終わった。でもナウはゴルフに夢中だから、ゴルフを極めよう。そう思って、ゴルフクラブを振って日々鍛錬した結果、ホールインワンを2回やったんだから。
穴の手前に落とせばいい。穴を狙ったって入らない。穴の手前に落としてツーッと転がってコロンって入って「あな不思議」ってなるんだから。武蔵の剣の極意じゃないけれども、ゴルフの極意にたどりついた。あれは、武蔵の精神で出したホールインワンだな。
武蔵や小次郎が実在したのかどうか、本当はどんな人物だったのかはわからないけど、彼らの精神は今も生き続けてる。それを俺はホールインワンで確信したね。剣豪2人は偉人牧場入りOK!
で、幕末の剣豪といえばやっぱり、新選組だな。隊長の近藤勇の下、副長の土方歳三、沖田総司、永倉新八、斎藤一と、いずれもツワモノぞろい。
とはいえ、新選組は明治維新の勝者と敗者でいえば、敗者だよね。そのわりにはヒーローとして取り上げられてるのはなぜか。明治新政府軍に負けるとわかってても、幕府に忠誠を誓って最後まで戦った「名誉ある武士」、あるいは「武士的ふるまい」というのか、そんな精神があったからだろうな。日本で最後の武士だよね。昔、こういう潔いグループがあった、武士らしい人たちがいた、と。「これが日本人だ」っていうね。
新選組の生き様を見て「あなたはどう感じますか」と聞いたら、「負けるとわかってて、そこまで突っ張んなくてもよかったんじゃないか」と思う人が8割じゃないかな。「いや、そうじゃなくて、これが武士の精神なんだ」というのが2割。実際のところ、戦う必要はなかったわけだから。江戸城を明け渡して幕府は終わっちゃってるんだから「もうやめた」と言ってもよかったのに、最後まで戦った。そこが武士ですよ。