日産自動車のカルロス・ゴーン会長が11月19日、金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されると、その余波で、ある英国人コメディアンの名前がネット検索で急上昇を果たすとともに、ツイッター上でもトレンド入りとなる事態に発展した。
実際に受け取っていた役員報酬額よりも過少申告していたとされるゴーン氏は当初、“数億円”ほどのごまかしとも伝えられていたが、蓋を開けてみれば、同社代表取締役のグレゴリー・ケリー氏と共謀し、およそ50億円近い虚偽の報告があったとされている。
世界的自動車メーカーの2トップによって数年間にわたって行われてきた今回の逮捕劇については、日本だけでなく、アメリカやフランスでも報じられるほどの大きなニュースとなっているものの、日産自動車が本拠を構え、“50億円搾取”の舞台でもある日本では具体的な過少申告の経緯以上に“Mr.ビーン”の名がツイッターのトレンドワードとなり、ネット上でも「カルロス・ゴーン」と入力すると、すぐさま「ミスター・ビーン」の関連候補ワードが提示される。
「ゴーン氏と、映画『Mr.ビーン』で主人公のビーン役を演じた英国人コメディアンで俳優のローワン・アトキンソンが、濃い眉毛や彫りの深い印象的な目がソックリとの理由で、“Mr.ビーン”がトレンドワードとして急上昇してきたわけですが、ツイッターを確認しても騒動の本質に触れるツイートよりもむしろ“Mr.ビーンとゴーン氏の顔写真を比べる”遊びの方が熱を帯びている印象ですね。ネット上ではこうした瞬間的なトレンドの傾向に関して『日本って平和だな。何十億円も搾取されたのに』『そこが問題じゃない』『大事件なのに関係ないところに話題がそれるのが情けない』『アトキンソン好きとしては不愉快です』といった反応も。また、すでに何年も前から似ていると話題になってきたことから『何を今更…?』『10年以上前に世界的にネタになってるよ』というツッコミまで飛び交っています。さすが、お笑い芸人がニュースを伝えるわが国といったところでしょうか」(テレビ誌ライター)
他国においてもセンセーショナルに取り上げられる今回の過少申告事件だが、日本のネットユーザーはゴーン氏とビーン氏の画像を比較することに大忙しなのかもしれない?
(木村慎吾)