競泳女子の池江璃花子選手が2月12日に白血病を公表した件を巡って、桜田義孝オリンピック・パラリンピック担当相が全方面からの集中砲火を浴びている。桜田五輪相は記者団に対し、「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている」とコメント。池江選手の体調を気遣うより前に東京五輪のことを心配し、しかも“がっかり”という単語を使ったことで、野党をはじめ世間からの批判が殺到している状況だ。
「ただ、野党からの批判についても立憲民主党の枝野幸男代表が『この6年余りの政治の象徴ではないか』と語ったり、国民民主党の玉木雄一郎代表が『今の安倍政権の体質を典型的に表している』などと、池江選手の病状にまったく関係のない政権批判を展開。こちらに関しても国民からは『池江選手を政治利用するな!』との大批判が巻き起こっており、どっちもどっちという様相ですね。この件については与野党関係なく、政治家としての資質が問われていると言えそうです」(週刊誌記者)
そういった池江選手の病状を巡る報道の中で、NHK NEWS WEBが12日の夜に配信した「白血病を公表 池江選手に励ましの声」との記事が注目されているという。この記事では池江選手に対する励ましの声を連ねており、その登場順は鈴木大地スポーツ庁長官、水泳関係者、白血病の罹病経験を持つJリーガーの早川史哉選手、フィギュアスケートの宇野昌磨選手らと続き、そこから菅義偉官房長官、JOCの竹田恒和会長、小池百合子東京都知事と並んだうえで、最後は桜田五輪相で締めくくっていた。
「鈴木長官は先代の日本水泳連盟会長ですし、前半には水泳関係者をまとめた形。ここで注目すべきは後半の並び順です。菅官房長官以降は東京五輪の関係者が並んでいますが、この顔ぶれの中で最も影の薄い桜田五輪相を最後に持ってくるのはいかにも不自然。普通なら東京五輪のホスト役である小池都知事で締めると収まりがいいはずです。ところが各発言を見比べると、桜田五輪相の『がっかりしている』発言だけがあまりにも異色で、もはや失言や暴言の類なのは明らか。報道関係者として看過できないのは当然で、その桜田五輪相を“トリ”に持ってくることで目立たせ、世間に対して『こんなヒドいことを言っていました!』と知らしめようとしたのではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)
NHK側の真意はともかく、桜田五輪相の発言が猛批判にさらされるのは当然だろう。
(金田麻有)