ネットで調べてみると優に100を超える“毛生え薬”が販売されている。が、よく見てみると“育毛剤”“発毛剤”とに分かれる。その違いを調べてみた。
たとえばあまたある、毛生え薬の中から、見つけた育毛剤は、かなり堂々と、「発毛効果を発揮した」とうたっていた。
しかし、これに注意が必要であることを解説すると言うのは管理薬剤師の平田智代さんだ。
「発毛剤は医薬品に入るが、育毛剤は医薬部外品。医薬部外品とは薬事法規定の分類方法で医薬品と化粧品の中間に位置し、人体に対する作用が、緩やかな薬品をいう。発毛効果が認められているのは発毛剤だけで、育毛剤は、発毛効果はうたえないはずです」
となると、育毛剤でありながら発毛効果を強調するタイプの薬は、微妙なことになりそうだが、では薄毛に悩む者は、迷うことなく発毛剤がいいか、というと実は、必ずしもそうとも言えないという。
「発毛剤は育毛剤と比べ発毛効果は高いが、頭皮のかゆみや眠気、倦怠感、頭痛、体重増加、むくみなどの副作用が起こる可能性があるんです」(ヘアーコンサルタント・工藤純生さん)
頭皮環境を整えたり、血行を促進することで、新しい毛が生えてきやすい土壌作りを期待するなら育毛剤の方がいいかもしれないというのである。
「発毛は個人差が大きい。生活環境、生活習慣そして年齢的なことも大きい」(工藤さん)
まったく、薄毛の者には悩ましいところだ。
(谷川渓)