芸能

ザ・ドリフターズ 仲本工事が明かす「全員集合」裏話(3)藤圭子が無表情で体操コント

「全員集合」にはとにかく各界の大御所クラスが毎回、ゲストで出てくれました。女性では和田アキ子さん、由紀さおりさん、小柳ルミ子さん。男性では三船敏郎さんや若山富三郎さんにも出てもらいました。やはり視聴率が高かったのがいちばんの理由でしょう。最初は断られることもあったみたいだけど、後半は出たがっていた人が多かったと思う。出ると一緒になって笑いを作るので、視聴者には親しみが湧く。それがよかった。

 三船さんが出演した時は立ち回りをカッコよく決めて、退場する時にヒゲダンスを踊ってくれた。大爆笑でしたね。

 若山さんの時は学校コントをやった。若山さんが生徒としてボクの前に座ったんだけど、先生が話をしている最中にボクのほうを向いて、「後ろにいる女の子がかわいいね」って本番でいきなり言うの。「前を向いてください」と言ってもダメで、そんなハプニングにも生放送に慣れていたから対処できたんです。

 ボクの印象に残っているゲストは藤圭子さん。後半のショートコント、ボクの体操コーナーでコーチと生徒という設定。圭子ちゃんは無表情で、嫌とも言わずに何でもやってくれて。一生懸命なのかそうじゃないのかもわからないけど、コントなんかやるのを誰も見たことがなかったから、それだけでおもしろかったんだね。

 ドリフの笑いの基本は学校コントに限らず、メンバーの順番、序列が決められていたこと。学校コントなら先生、デキのいい生徒、反発する生徒、先生にゴマをする生徒、デキの悪い生徒といった上下関係を作る。家庭コントなら母ちゃんがいて長男、次男、三男、末っ子がいる。戦争コントなら隊長、軍曹、一等兵、二等兵‥‥といった具合に。

 いかりやさんを長として、あとは年の順。荒井さんはいかりやさんより上だけど、高木さんは下、ボクと加藤はいかりやさんより10歳、12歳下で志村は20歳下。最初は上下10歳違いだったのが、志村が入って20歳差になった。

 ボクは上から3番目だから、ゴマをすって助かる生徒とか、家庭なら三男坊の役回りが多かった。年が近くなくて上下関係をみんな心得ていたから、その序列で何か問題になったということはなかったね。そして、いかりやさんが決めたことをみんなでやる。

 意外かもしれないけど、いかりやさんは、できないことを無理強いするようなことはなかった。「できることをやればいい」と常に言っていた。これはいかりやさんの名言だったと、ボクは思っています。

峯田淳(コラムニスト)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論