賀来賢人が刑事役で主演を務めるドラマ「ニッポンノワール -刑事Yの反乱-」(日本テレビ系)の視聴率が伸び悩んでいる。11月10日放送の第5話は7.1%に留まり、ここまでの平均視聴率は6.9%に沈没。同じ日曜劇場の放送枠では4月期の「あなたの番です」(第1章)の7.0%を下回る有様だ。
その第5話では“警察の外の警察”と称される地下組織「ニッポンノワール」の存在に迫りつつ、ラストシーンでは物語の核となっている10億円強奪事件の真犯人が判明するなど、「第1章完結」にふさわしい急展開が繰り広げられた。
ところが視聴者の間からは、ある“どうしても気になってしまう情報”のせいで肝心の物語が頭に入ってこないとのクレームが持ち上がっているというのだ。テレビ誌ライターがこんなふうに耳打ちする。
「このドラマには嵐・二宮和也の共演者が出演しており、それが気になってしょうがないというのです。賀来と同じ捜査チームの一員で、巨体が目立つ香月安彦刑事を演じる駒木根隆介は、クレジットカードのテレビCMで二宮と共演。アロハシャツ姿ではしゃぐ二宮に困惑した顔で『アロハ』と挨拶する隣人を演じていました。出演当初から勘のいい視聴者はそのことに気づいていましたが、11月12日の夜に二宮の結婚発表が一大ニュースになると、《ニッポンノワールの録画を観ていると二宮の顔が頭によぎって仕方がない》との声が続出するように。また“ベルムズ”のリーダー・陣内を演じた落合モトキは、ふだんは不良役などが似合う精悍な雰囲気の俳優ですが、今回はスーツ姿で髪もおろしており、その姿はまるでお笑いトリオ『ハナコ』の秋山寛貴さながら。そう思ってしまうとベルムズのメンバーにもハナコの相方である岡部大や菊田竜大がいるように思えてしまい、コントの一シーンに見えてしまうのだから困ったものです」
それらの出演者に加え、警察もののシリアスなドラマとは思えないようなツメの甘い設定も、視聴者の興を殺ぐ原因となっているという。
「第5話では、賀来がたむろしている喫茶店ボナールを、謎のガスマスク男がショットガンで襲撃する場面を描写。しかし街中で銃声が鳴り響いても騒ぎにならないとはどういうことでしょうか。しかも喫茶店の裏には大きな倉庫のような建物と広い駐車場が広がっており、そんなヘンピな場所に喫茶店があること自体も疑問。そして賀来に蹴り飛ばされたガスマスク男が積み重ねられた一斗缶やゴミバケツに向かって倒れ込む場面では、視聴者から《バラエティ番組かよ!》とのツッコミが入ったのも無理はないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
本作では井浦新や工藤阿須加のコミカルな演技が、シリアスな展開に一服の清涼剤のような効果を発揮しているが、それ以外にも期せずしてコミカルなシーンの連発になっていることに、制作陣は気づいていないのかもしれない。
(金田麻有)