ドラマ「まだ結婚できない男」でヒロインの吉田羊を食う熱演ぶりで再ブレイクしている稲森いずみ。これまで、脇役のイメージが強かったが、一気に主役級の活躍ぶりで、今や激しいカラミも辞さない「“艶”女王」として再評価されているのだ。その妖艶な艶技を今一度振り返ってみると──。
「最近、稲森いずみ(47)が『ポスト石田ゆり子』として注目されています。稲森は毎年ドラマに出演し続けていましたが、特に今年10月から放送されていた『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)で、阿部寛演じる主人公の桑野信介が足繁く通うカフェの雇われ店長・田中有希江役が好評で、ヒロインの吉田羊よりもその存在感で圧倒したのが大きい」
そう語るのは、芸能ジャーナリストの平田昇二氏だ。
「まだ結婚できない男」は06年放送の「結婚できない男」から13年ぶりの続編で注目のドラマだった。偏屈な53歳の独身男・桑野が、稲森演じる有希江や吉田演じる弁護士の吉山まどかなど、個性的な女性たちとの出会いを機に恋愛・結婚を模索するストーリー。
ドラマの中では男勝りなキャラクターを好演。有希江(稲森)と桑野(阿部)のもんじゃ焼きデートのシーンでは、独善的で自分の美意識を押しつける桑野に対し、有希江が「こんなのはもんじゃじゃない!」と、桑野の作ったもんじゃの山を豪快に崩すと、女性視聴者がすぐに反応。SNS上では「有希江の大胆さがカッコいい」「男の言いなりにならずに自分の意見を臆さず言えるのはすてき」と新たなファン層から大絶賛を浴びているのだ。
くしくも石田ゆり子が星野源と新垣結衣主演の「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)でブレイクしたのが47歳。同年齢ということもあり、ガゼン「ポスト石田ゆり子」として注目されているのである。平田氏によれば、
「稲森といえば、アイドルとしてデビューした時には男性ファンが中心でしたが、47歳になった今もその美貌は健在。その点も石田と共通しますね。目が大きく猫目なので『ツンデレタイプなのでは』と思われがちですが、ベッドの上では豹変しそう。そんな妄想をかき立ててくれるんです。昔はスレンダーなスタイルでしたが、年を重ねてふっくらと丸みを帯びた体型になり、ますます妖艶さを醸し出しています」
そんな稲森が、周囲の期待に応えるように濡れ場も辞さない本格派女優に転身したのは40歳を過ぎてから。
15年に放送された武井咲主演の連続ドラマ『エイジハラスメント』(テレビ朝日系)の大沢百合子役で、上昇志向の強い悪女役を演じて評判となった。稲森扮する百合子は40歳で、結婚、出産、育児、仕事を両立させてきたエリート社員。このお高くとまったお局の女性課長は、小泉孝太郎演じる同僚社員・保科晶彦との不倫にハマっていた。
画面上の稲森は以前に比べ、ふっくらとした顎のラインはもとより、透け感のあるワンピース越しからこんもりと膨らむ双丘からも、完熟した大人のエロスがほとばしっている。その濡れ場がまた生々しい。
真っ白なシーツにくるまるのは、稲森の後ろ姿。後頭部に男の手が回されるとギュッとそのまま引き寄せられる。下になって女を抱き寄せるのは、左遷されて不仲と目されていた同期の小泉だ。
稲森のシミひとつないスベスベの背中があらわになると、男の手はその溝をなぞるように滑らせ、稲森に覆いかぶさる。潤んだ瞳の稲森は、いとおしそうに男を見つめそのまま激しいキス。まるで衝突事故のような唇のぶつかり合いは、当時43歳だった彼女の真骨頂だろう。ムダ肉のない二の腕を男に巻きつけ、「チュッチュッ」という音を部屋中に響き渡らせながら、接吻を交わす。そして、一戦を終えると、お互い枕に頭を沈ませたままのピロートークに突入する。5年に及ぶ秘密の交際について話が及び、
「死んでくれと思う男に、好きにされるのって燃える」
男の頬に手を当てながらこう微笑をたたえるのだ。悪女然としながらも淫乱さを告白するセリフは、際立ったアクセントとなり、稲森の陰のある熟女ぶりに脚光が集まった瞬間だった。