関東は東京開催に移る。と同時に、この開催の最後に年明け最初のGI戦フェブラリーSが控えている。その前哨戦となる根岸Sが今週のメインだ。
ダートの重賞、それもGI戦の前哨戦となると除外馬が多く出るが、今回もなかなかの好メンバーがそろい、フルゲート(16頭)になりそうな雲行きである。
とはいえ、距離が1400メートルとあって、ここでの結果が本番(1600メートル)に直結することは少ない。芝のレースもそうだが、この7ハロン戦は、どういう流れになるか読みづらく、展開がどうなるのか、なかなか判断するのは難しいのだ。
けっこう難解な重賞と言っていいが、今回の顔ぶれを見ても、まさしく多士済々で、簡単に収まりそうにないことがわかる。
まずはデータをひもといてみよう。
馬単が導入されて以降、このレースは17回を数えるが、この間、馬単での万馬券は5回(馬連は2回)。そして1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみで、1番人気馬は5勝(2着5回)、2番人気馬は3勝(2着1回)。
大きく荒れることはないが、人気どおり容易に決まらないことも確かで、中穴傾向の重賞と言っていいだろう。
さらに過去17年の傾向に目を移して見ると、最も連絡みしているのは5歳馬で、6勝2着8回と圧倒的。続いて善戦しているのが6歳馬で、5勝(2着3回)しており、今回も要注意である。
当方もその6歳馬に目をつけた。最も期待を寄せ、狙ってみたいのは、使われつつ、どんどんと力をつけてきているスマートダンディーだ。
半年ぶりの実戦となった前々走の霜月Sは14着に敗れたが、続く前走のギャラクシーSでは一変。中団から強烈な末脚を駆使して、あっさり突き抜けての完勝劇を演じてみせた。
今回は休み明けを使われて3戦目。この中間の状態はすこぶるよく、1週前の追い切りは軽快かつリズミカル。文句なしの動きだった。
「さらに良化している感じ。いい雰囲気だし、本番が楽しみ」
石橋調教師はこう言って仕上がりのよさを強調し、目を細めるほどだ。ならば期待できるというもので、初重賞制覇のチャンスとみていいのではないか。
全勝ち鞍の7勝は、いずれもダート1400メートル戦で挙げたもの。しかも左回りはスムーズで東京は【2】【1】【11】【3】【3】【3】【14】着。大きく敗れた2回はともに休み明けということを考えると、今回はまさに走れる条件がそろっているわけだ。
父はベルモントSなどGI3勝の大種牡馬エンパイアメーカー(先頃死亡)で、母系は北米の一流血脈。歴史に残る名馬ラウンドテーブル(米年度代表馬にして大種牡馬)やハイペリカム(英1000ギニー)など、一族にはキラ星のごとく活躍馬がいる血筋。力を要す良馬場なら頭から狙い撃ちといきたい。
京都で行われるシルクロードSは、ハンデ戦。しかもフルゲート必至で混戦模様とみていい。
狙いは、ジョイフルだ。京都は〈0 0 1 2〉と勝ち鞍はないが、いずれも差はわずかで下手ということはない。一戦ごとにパワーアップしており、ここはチャンスとみた。