厚労相は「時間外労働は月45時間、年間では360時間を超えないものとしなければならない」との告示を出している。年間456時間は田村氏の指摘するように、異常実態と言える。
田村氏はさらにこうも質問し、追及した。
「ワタミで働いていた正社員の方がですね、我が党の東京都委員会の『雇用と就活対策室』に、実態をお話ししたい、と訴えてこられたんです。で、資料を見たら、時間外労働80時間を超える月がありました。45時間以上という月は2年間で6カ月に及びました。重複等調整というよくわからない項目で数万円が差し引かれて、結局22万円から23万円程度の賃金にしかならないという実態なんですよ。休日も渡邉氏が書いた著作の学習を強いて、レポートの提出を求めると。これ、今も続いているっていうんですね。この渡邉氏は『自民党参議院比例区全国支部長』と大きく打ち出されているわけですよ。これでいいのかってことですよね」
先の号外には、その元社員の話をもとにこう記されている。
〈仕事は、午後4時開店の前の3時から仕込みで開始だが、2時から出勤することもしばしば。午前2時、3時まで働き、11時~12時間労働を超えるのが日常。週休2日が原則だったが、週1日も休めないこともあった。1時間のはずの休憩だが、実態は20分のみ〉
〈「所定勤務重複等調整」と称し、多い月には6万円も給与天引き。「過労死ライン」の80時間をこえる残業をした月でもわずかに引かれており、常識はずれの長時間労働をしなければ賃金減額になるようだ〉
ブラック企業撲滅、ワタミキラーの急先鋒・田村氏を直撃し、あらためて見解を聞くと、こう憤った。
「非常に問題だと思っていたのは、自民党が公認候補にしたこと、渡邉氏が、ブラック企業という指摘に対し反論していることです」
確かに渡邉氏は公式サイト上で〈「ブラック企業」と呼ばれることについて〉と題して〈到底、受け入れられるものではありません〉と猛反論している。田村氏が続ける。
「(元社員の告発で)働いていた方の具体的な就業時間がわかりましたので、これを示して叩かなきゃいけない。長時間労働を開き直っている、と。もう少し調べたいと思っているのは、重複等調整という‥‥私が(厚労委員会で)よくわからないものが引かれている、と言ったんですけど、残業しているのにマイナス分が出る点ですね。基本給にいろんな手当が付くはずが、残業すれば上乗せとならずマイナスになるという資料が示されたので、いったいこれが何なのか、追及しなければならないと思っています。明らかな搾取ですよね」
告発した元社員はこの「重複等調整」の謎について、(ワタミから)説明を受けた認識がなく、どういう天引きだったのか、辞めた今でもわからない、と説明したという。