今回の騒動の約1年前、みんなの党では、所属する国会議員3名が離党届を出し、日本維新の会のもとに走る動きがあった。
当時、渡辺氏は、日本維新の会・橋下徹共同代表と松井一郎幹事長にこう詰め寄ったという。
「彼らのようなゲリラ部隊みたいな人たちを相手にすれば信頼を失います」
しかし、日本維新の会はみんなの党の離党者を受け入れ、新党構想に突っ走った。一方、党に残った江田、柿沢両氏は解党合流を主張して、維新の“分派”とも思える行動をしていたと、渡辺氏は主張するのだ。
「党の理念や政策がまったく違うし、合流すれば分裂は必至。今の日本維新の会を見れば一目瞭然です。柿沢さんには何度も『陰でコソコソ隠れて私の知らないところでやるな。直接私に言ってきなさい』と伝えました。でもダメだった」
そんな中、永田町にはみんなの党の内部情報が書かれた「怪文書」がバラまかれることになった。前出・政治部記者が語る。
「渡辺さんが党の金銭を私物化しているという内容のもので、犯人として疑われたのが江田さん、柿沢さんでした」
この件は、「週刊新潮」8月29日号で、「渡辺喜美 立法事務費 公金の私物化」という見出しで記事にもなった。渡辺氏は語気を強めてこう答えるのだ。
「お金については私が個人的に借金をしながらも、きわめて透明にやっております。参院選後、政治資金についての新しいルールも作り、役員会で決定しました。党改革はきちんと断行しています」
乱戦後、党に残った江田氏との関係や、今後現れるであろう反乱分子にどう対処していくのか──。
「江田さんの対応についてはこれから考えます。党は求心力を働かせないといけませんが、それと反対の力があれば排除します」(渡辺氏)
前出の浅川氏は、まだまだお家騒動は続くと予想する。
「今後の注目は江田さんの決断です。もし離党を選択して新党の立ち上げに動くなら、来年の1月1日で新党の政党助成金の割合が決まるので、それまでに結論が出るでしょう。政党助成金は5人以上なら受けられるので、側近の柿沢さんをはじめ、あと3人はみんなの党を離党するという可能性があります」
自民党一人勝ちの状況の中、内輪で争っている場合ではないはずだが‥‥。